平成18年6月, 第164通常国会において, 医療制度改革関連法案等8法案が成立した。
これにより, 平成20年4月より, 40歳から74歳までの被扶養者を含むすべての被保険者は, 特定健診, 特定保健指導を受診しなければならないことになった。
対象疾患は生活習慣病の内, 内臓脂肪症候群に限定されている。
特定健診では, 肥満者, 特に内臓脂肪の蓄積が疑われる対象者を抽出し, 特定保健指導により, 日常の生活習慣の改善により, 肥満の解消を図ることにより, メタボリックシンドロームを中心とする脳, 心臓疾患の発症やより重篤な方向への進行を回避しようとするものである。
総合健診医学会では過去30有余年にわたり, 健診を実施する専門医学会としての業績を積んできたが, 健診の実施による有所見者の選別には多くの業績が見られるが, 有所見者を対象とした, 生活指導, 保健指導への介入, 健康増進への改善指導に関する実績は十分とはいえない状況である。
今回の特定保健指導では, 肥満者の25%を削減するという明確な数値目標が健診成果として求められている。
確実なアウトカムを求めるならば, 受診者の「肥満」および内臓脂肪症候群に対する, 自分自身の健診結果に対する確実な理解と認識がなければならない。
受診者が, 満足する「健診結果の十分な説明」が重要な第一歩と考える。
本発表は, 継続的な受診記録の一覧性を重視した上で, 受診者が自らの受診結果の理解を助けるためのツールとして検討したものであり, すべてはコンピュータによって支援されるものである。
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