乳癌健診で要精密検査と判定された受診者の方々を紹介していただいている立場からお願いしたいことがあります。
健診結果報告書だけでは紹介状扱いにならないので、書式を工夫して紹介状として使えるような報告書があると便利です。紹介状があるとすぐに精密検査のできる施設を初診することができ、高額な割り増し料金もかかりません。
健診で精密検査が必要とされた所見が乳房のどの位置にあるのか、良悪性いずれを疑っているのか明記していただけるとその後の検査がスムーズに進みます。左右いずれかに所見があるのか記載されていない報告書さえいまだにあります。超音波検査による乳癌健診結果として「乳腺腫瘍の疑い」、「右乳腺腫瘤」と記載されているだけでは乳房のどの位置に所見があるのか、乳癌を疑っているのか良性疾患を疑っているのかわかりません。そのために無駄な検査を行わなければならないことがしばしばあります。MRIや生検まで必要となることもあります。精密検査を要する所見が認められた部位、悪性をどの程度疑っているか記載していただけるととても参考になります。マンモグラフィによる乳癌健診でも「左乳腺腫瘤の疑い」、「右乳腺石灰化」という結果のみで紹介されると同じようなことに悩まされます。マンモグラフィをやり直したら、のう胞と思われるFADであったり、C1-2の良性石灰化であったりすることがしばしばあります。無駄な検査と放射線被曝を受診者に強いてしまった結果となってしまいました。
乳癌健診で精密検査が必要となった受診者方を紹介してくださる際には画像検査の読影所見について、以上のことが私たちにも分かるように情報を共有させていただけるととても助かります。速やかに正確な診断結果を出すことができます。画像ファイルをDICOM規格で提供していただけるとその後の検査の参考になります。
このように紹介していただけると誠に嬉しゅうございます。
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