総合健診
Online ISSN : 1884-4103
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42 巻, 3 号
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原著
  • 坂手 誠治, 柳沢 香絵
    2015 年 42 巻 3 号 p. 377-384
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/10
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究では、室内プールで運動を行う者の水分補給に対する意識およびその実態について明らかにするために、性、年齢区分別に検討を行なった。調査は質問紙を用いて行い、男性470名、女性535名の計1,005名(56.0±15.3歳)を対象に検討を行なった。水中運動中、喉がかわいていなくても水分補給を行うべきと考える者は、男女ともに、44歳以下が最も多く、65歳以上で最も少なかった。一方で、飲むべきか分からないと回答する者は年齢区分が高いほど多かった。運動前、運動中、運動後に水分補給を行う者は、男性では、いずれも44歳以下で多く、年齢区分が高くなるにしたがい減少した。女性では、年齢区分間の違いは認められなかった。男女ともに運動後に水分補給を行う者は77~94%であったのに対して、運動中では15~34%であった。12.7%は運動前、運動中、運動後を通じて、全く水分補給を行っていないことが明らかとなり、その特徴として、年齢区分が高いこと、水中運動中の発汗の自覚がないことおよび水中運動時の水分補給に対する知識面の不足が示唆された。これまでに水中運動中に経験した脱水が疑われる症状として、男性は、筋肉の痙攣(36.6%)、口の中がかわく(28.5%)、脱力感や倦怠感(18.8%)の順で多く経験しており、女性では筋肉の痙攣(31.9%)、口の中がかわく(24.7%)、呼吸が異常に速くなる(12.8%)の順で多く経験していた、男女とも何らかの自覚症状を1つ以上経験していた者は全体の57.1%であった。以上より、安全な水中運動の実施のためには、適切な水分補給を行うよう、より一層の啓発の必要性が示唆された。
  • 安田 万里子, 鈴木 絢子, 髙橋 麻美, 梶川 歩美, 西舘 美音子, 野老 由美子, 松澤 範子, 齋藤 晃, 森山 優, ...
    2015 年 42 巻 3 号 p. 385-391
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/10
    ジャーナル オープンアクセス
     日本では、禁煙治療として2006年からニコチン依存管理料が保険適用となり、2008年から禁煙補助薬であるバレニクリン(チャンピックス)が保険適用となった。喫煙率低下に向け、禁煙治療も大きく影響しており、定期的な禁煙治療の評価を行い、有効な禁煙治療を行っていく必要がある。今回我々は、2009年10月1日から2012年3月31日までに禁煙外来にて治療を行った130名(男性97名、女性33名)を対象に、禁煙成功群と禁煙失敗群に分類し、年齢、性別、ブリンクマン指数、TDS、初診時CO濃度値について両者の差異を比較した。有意差が認められたものはブリンクマン指数のみであり、禁煙成功群の方が高い値となった。
     また、禁煙治療の5回受診を完了した者(5回通院者)は、禁煙成功群93名のうち69名であり、禁煙失敗群では、37名のうち5名であった。禁煙成功率と通院中断の有無に有意差が認められ、禁煙治療5回のプログラムを最後まで通院することが、禁煙の成功を有意に高めていた。
     禁煙成功群を対象にし、計5回の禁煙治療終了時点で4週間以上の禁煙に成功している者を完全成功群と定義し、計5回の禁煙治療を中止した者のうち、中断時期から4週間以上の禁煙に成功している者を中断成功群と定義した。禁煙成功群93名のうち、完全成功群は69名、中断成功群は24名であった。完全成功群と中断成功群の1年後の禁煙継続率は完全成功群が73.1%に対し、中断成功群は65.2%であったが、これらの有意差は認められなかった。しかし、2年後の禁煙継続率を見ると、完全成功群が51.1%、中断成功群は31.7%であり、長期的に見ると完全成功群の方が高い値であった。
     これらのことから、禁煙治療プログラム5回全てに来院することが禁煙治療成功に繋がりやすく、また、長期的な禁煙継続にも影響していると考えられた。
大会講演
日本総合健診医学会 第43回大会
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