総合健診
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33 巻, 6 号
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  • Tamaki MATSUMOTO, Noriyuki TATSUMI
    2006 年 33 巻 6 号 p. 557-563
    発行日: 2006/11/10
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    A widely used non-invasive measurement employing nearinfrared radiation provides valuable information in the clinical and basic medical research field. The Astrim, a portable non-invasive monitoring device recently developed, evaluates peripheral circulation as well as hemoglobin levels. The present study conducted several examinations to scrutinize the reproducibility of results, efficacy, and validity of the device. Our data demonstrated the usefulness of the non-invasive monitoring device in diverse clinical circumstances and its applicability to basic physiological and medical research fields.
  • 新井 俊彦
    2006 年 33 巻 6 号 p. 564-578
    発行日: 2006/11/10
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    各種肥満度の指標と健康度の指標である生理学的・生化学的・血液学的検査値の相関を調べ, 相互の指標間の関係を明らかにすることを試みた。40歳から60歳まで男女85名の身体計測値, 体脂肪率, CTによる体脂肪分布値, 体組成解析値, 代謝解析値および臨床検査値を求めて, Microsoft Excelに記録し, 各指標値の相関係数を求めて, 各指標問の関係を考察した。中性脂肪が内臓脂肪の蓄積を起こし, インスリンは皮下・内臓いずれの脂肪も同等に増やすことが示された。男性では別の要因が関与するために明かではないが, 女性では, 内臓脂肪の増加が肝障害を起こすこと, 皮下脂肪の増加が腎機能の低下の原因になっていること, 血糖値の増加は内臓脂肪のみの増加を起こすことが分かった。簡易な肥満の指標とされているウエスト, ウエスト/ヒップおよびウエスト/身長ではウエストが最も良く脂肪量と相関するが, 皮下脂肪量を最も良く反映して, 内臓脂肪を良く反映する指標ではないことが分かった。エネルギー代謝率および消費カロリーは脂肪量とは相関せず, 体重とのみ相関し, 消費されるものが脂肪か炭水化物かは無関係であることが分かった。血圧も男性では別の要因に隠されて明かではないが, 内臓脂肪量の増加は血圧を上昇させ, 皮下脂肪量の増加は低下させる効果があることが示唆された。LDLコレステロールが最も相関したのはbody mass indexであった。
  • 新井 俊彦, 香田 真一, 宮間 俊雄
    2006 年 33 巻 6 号 p. 579-586
    発行日: 2006/11/10
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    人間ドック受診者はかなりの健康で検査値が正常な者を含んでいる。正常値の年齢による変動, 受診月による変動を調べることを目的に人間ドック受診者の検査値を調べた。当院の2005年1年間の全人間ドック受診者の検査成績を男女に分け, 年齢別および月別に集計して検査値の平均値, 標準偏差, 最高値および最低値を求めた。年齢による変動の検討から, Body Mass Indexが20歳代から70歳代までほとんど変動しないことが分かった。身長・体重には30歳代をピークに微減傾向が認められ, 身体の活動のピークが30歳代であることが示唆された。肺機能も同じ傾向があるが, 比較的一定に保たれることが分かった。血圧の変動から動脈硬化は30歳代から始まり, 特に男性に顕著であることが分かった。脂質代謝は男女に違いがあり, HDLコレステロールは変動せず, LDLコレステロールは男性では変動が少なく, 40歳代以降増加しないが, 女性は20歳代から明らかに増加傾向を示し, 50歳代でプラトーに達した。腎機能は一定で変動がなく保たれていることが分かった。肝機能では, GOTおよびGTPは変動が少ないが, γ-GTPは男性が女性よりはるかに高く, 40歳代から60歳代に上昇が著しかった。糖代謝では, HbA1c, 血糖値は50~60歳代にピークを持って上昇し, 血中のグルコース処理能力は若年から徐々に低下することが示唆された。血液学的検査値の変動も少なかった。月別集計では変動が少なかったが若干の季節変動が見られたのは, 収縮期血圧, %肺活量で, γ-GTPは男性で月別変動が大きかった。なお, 検査値のばらつきから, 受診者集団には健常者以外の者がかなり含まれることも分かった。
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