総合健診
Online ISSN : 1884-4103
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38 巻 , 3 号
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大会講演
  • 福武 勝幸
    2011 年 38 巻 3 号 p. 349-356
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/08/01
    ジャーナル フリー
  • 三木 一正
    2011 年 38 巻 3 号 p. 357-363
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/08/01
    ジャーナル フリー
     ピロリ菌(H. pylori: Hp)の発見およびHpと胃がんとの関連が明らかになり、Hp感染症である胃がんの対策は大きな転換期を迎えた。除菌による胃がん予防の知見が得られ、リスク別A, B, C, D胃炎検診(ABC検診)は胃がんの早期発見とHp除菌対象者の抽出という2つの意味を持つ、これからの胃がん対策のキーとなる検診である。
     結果:2007年~2009年の3年間、東京都某職域胃検診で、延べ48,073人(2007年15,043人、2008年16,080人、2009年16,950人)(平均年齢47.4歳)を対象にABC検診を実施した。A群35,177人(73.2%)、B群7,883人(16.4%)、C群4,489人(9.3%)、D群524人(1.1%)に分類された。発見胃がんは、B群16例、C群7例であり、進行がんが5例認められたが、いずれも初回検診受診(中途入社など)の人であり、検診受診者はすべて早期胃がんであった。分化型がんが12例(52%)を占めたが、その比率はそれぞれ年度別に、75%、38%、0%と年毎に未分化がんの比率が増加した。
     結論:胃がんの撲滅に向けた検診対策は、ペプシノゲン(PG)法とHp感染有無の診断法を組み合わせ、Hp感染症である慢性萎縮性胃炎のリスクを4群に層別化するリスク別A, B, C, D胃炎検診(ABC検診)を実施する。受診対象者の50~80%を占める無症状・Hp未感染のA群を内視鏡による2次検診対象から除外する。その後、継続的にA, B, C, D胃炎のリスク別に早期の胃がん発見を目指し、内視鏡検査による経過観察を行うと同時に、Hp既感染群は除菌療法を実施して胃がんの発生を予防する、2次予防と同時に1次予防をも目的としたABC検診である。
  • 蒔田 覚
    2011 年 38 巻 3 号 p. 364-369
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/08/01
    ジャーナル フリー
     医療裁判(新受件数)は、2004年の1110件をピークに減少している。2009年の新受件数は733件となっており、これは10年前とほぼ同様の件数である。しかし、医療裁判の減少と医療紛争の減少とは「イコール」ではない。むしろ、執拗なクレームに医療者が疲弊しているケースは増加している印象さえある。医療紛争は患者側からの医療不信に端を発するが、これに対応した医療者側が患者に対して不信を募らせることも危惧される。
     医療は、患者との信頼関係を基礎とするものであるから、このような事態は真に治療を必要とする患者・医療者側双方にとって不幸である。
     医療裁判は医療全体の中で極めて例外的な事象にすぎない。にもかかわらず、医療者にとって不慣れな場面であることから過大評価されやすい傾向がある。たしかに、全ての患者が納得する医療が理想である。しかし、例外的事象を意識するあまり、「角を矯めて牛を殺す」ことがあってはならない。
     裁判を恐れて、安易に患者に迎合した対応をとると、より過大・理不尽な要求が示され、医療者は益々疲弊するという悪循環に陥りかねない。医療紛争の場面では、紛争処理のための知識・技術が求められるのであって、信頼関係構築・維持のために学んできた医療者の有する知識・技術は全く通用しない。そのため、医療安全の範疇に紛争処理までを取り込むことの弊害は少なくない。むしろ、このような場面では、医療者としては早期に事実関係の把握することに留め、法律家など紛争処理の専門家に相談して対策を講じるという分業化が図られてよい。医療者が、医療紛争という枝葉の問題ではなく、良質な医療を提供するという幹に集中できる環境整備こそが理想であり、医療安全の大きな役割と考える。
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