厚生労働省による実質平均給与の推移の報告によると、1994年465.3万は、2018年では433.3万円と少なくなっている。2021年の男性一般労働者の給与水準を100としたとき、女性のそれは75.2となっている。このような背景を理由に人間ドック受診者数は2003年以降、2014年まで300万人前後で横ばい状態となっている。任意健診として、人間ドックとして実施すべき基準検査項目を定められている。2013年に実施した調査では、平均43,539円と報告されている。女性ではこれに加えて、子宮頸がん検査、マンモグラフィ検査が必要となり、負担がさらに多くなる。人間ドックは法定のがん検診、特定健康診査など1日で終えることができる特色がある。さらに、当日結果説明があるため、社会的意義が高い。上述の経済状況下で、より多くの人が受診しやすいミニマムレベルの人間ドックの策定が期待される。健診・検診の検査項目については、多くの科学的検証がなされてきている。United States Preventive Services TaskforceによるRecommendation Topics、Choosing Wisely、厚生労働省の健康診査の満たすべき18の要件を紹介する。これらを踏まえて現行の基準検査項目を見直し、不必要な検査項目を省いたミニマム人間ドックを考案した。法定検査項目を残し、性別、ライフステージの疾病状況から、39歳以下、40~64歳、65歳以上の男女別6種類の「ミニマム人間ドック」により、低価格での提供が可能になる。これにより多くの国民が受診しやすくなると期待される。さらに人間ドックChoosing Wiselyを策定した。