5~6歳児における発話の非流暢性の減少は主として文構造が習得されることによるのかどうかを復唱法を用いて検討した.対象児は3~6歳までの普通児80名で, 刺激文は等位節構文が4文, 関係節構文が4文の計8文であった.
もし, 5~6歳児における非流暢性の減少が主として文構造の習得によるのであれば, 習得の困難度が異なる2つの構文では非流暢性の減少時期に差が認められるはずである.今回, そのような差は認められなかった.このことから, 5~6歳児における発話の非流暢性の減少に関しては, 文構造の習得がはたす役割よりも, 発話に関わる処理機構ないし機能の発達がはたす役割の方がより重要である可能性が示唆された.
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