音声外科領域のうち, 特にラインケ浮腫について疫学, 診断, 治療の現状を述べ, 手術について詳説した.
治療方針としては, すべての症例に禁煙を強く指導し, II, III型には積極的に手術を勧めるべきであるが, heavy smokerで軽度の浮腫の場合や手術をいやがる軽度の浮腫の場合は, まず禁煙のみで経過を観察し, 改善しなければ手術を勧めるのがよかろうと考えられる.
手術に関しては, 声帯振動の観点からすると, 声帯遊離縁部の粘膜を可及的に残すことが最重要であり, そのために吸引法, Squeezing法, Grasping法などが考案されてきている.これらのテクニックは, 必要に応じて適宜組み合わされて使われている.そこで, これらは「声帯縁粘膜保存手術」というような名称でひとまとめにして呼ぶことを提唱したい.
さらに, 現在残されている問題点, 今後何が解明, 発展されねばならないかにふれた.
抄録全体を表示