本研究は, 12, 24, 36ヵ月における正期産健常 (full-term normally developing) 児 (以下, 略してN児) と出生体重1, 500g未満の低出生体重 (low birth weight) 児 (以下, 略してLBW児) の言語能力を質問紙を用いて検討した.12, 24, 36ヵ月児群 (LBW児群は修正月齢による) は, それぞれ39, 31, 30名のN児, 38, 30, 34名のLBW児から成る.言語理解領域は, 音への反応, 状況理解, 指示理解, 理解語彙の4つの下位領域を設け, 言語表出領域では, 応答, 音声・言語模倣, 自発的交信, 表出語彙, 品詞, 語連鎖・談話の6つの下位領域を設けた.LBW児群は, ほとんどすべての下位領域に有意な遅れを示し, 12ヵ月時には主に音への反応, 指示理解, 自発的交信領域に, 24ヵ月時には指示理解, 音声・言語模倣, 自発的交信, 表出語彙, 語連鎖に遅れが認められた.また, 両群における指示詞, 疑問詞, 接続詞などの品詞についての一般的な獲得順序についても明らかにした.
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