口腔癌70例 (舌癌59例, 口腔底癌11例) を対象に, 25語音リストによる発語明瞭度検査を行い, 治療法別, 切除範囲別および切除部位別に明瞭度の検討を行い, 以下の結果を得た.
1.治療法別にみると, レーザー群T1, レーザー群T2, 広範切除群, 再建群の順に明瞭度が低くなる.また, レーザー群では, 術後の明瞭度は高く, 大半の症例で日常会話に支障がない.
2.切除範囲別にみると, 切除前後径および切除横径と明瞭度との間には正の相関があり, 切除前後径および切除横径が大きい程, 明瞭度も低くなる.また, 切除前後径が44mm以下, または切除横径が15mm以下の舌の部分切除では, 大半の症例で日常会話に支障がない.
3.口腔底を含む舌の部分切除を行うと, 明瞭度が低くなる.
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