平成16年4月から平成19年3月までの3年間に, 市立砺波総合病院において入院治療を受けた患者のうち, 廃用による摂食嚥下障害が認められ, 摂食嚥下訓練が行われた廃用症候群患者30名を対象として, 摂食嚥下訓練の効果を調査し, その効果に影響する因子について分析した.
摂食嚥下訓練として, 筋力向上訓練と嚥下機能向上訓練を行った.
訓練前は全例が絶食状態だったが, 訓練により30名中23名 (76.7%) が摂食可能となりおおむね良好な効果が得られた.
摂食嚥下訓練の効果に影響しうる因子として, 性別, 年齢, 発症・手術から訓練開始までの期間, 訓練期間, 認知症の有無, 入院前の身体機能, 退院時の身体機能, 入院前と退院時の身体機能の変化, 空嚥下の9項目について分析した.訓練効果に影響する因子は, 空嚥下の程度 (p=0.015) のみで, 空嚥下のできなかった患者では半数以上が経口摂取不能であった.摂食嚥下機能障害を早期に評価して, 特に空嚥下が起こらなくなる前の訓練介入が有効と思われた.
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