失語症者群 (軽度および中度の非流暢, 流暢群の4群よりなり各11名, 平均51歳) , 健常者年代一致群 (44名, 平均51歳) , 健常者壮年群 (20名, 平均36歳) に対し, 3題の無修正のラジオニュースを用いて失語症者の日常における談話の理解力の一側面を検討した.各ニュースの聴取後, 質問と4選択肢を書いた紙を見せ, 検者が音読し, 内容と一致するものを指示させた.
結果: 1) 健常者壮年群は他群よりも優れていた.2) 失語症者群の成績は良好で, その61%が健常者年代一致群の得点分布域に含まれた.3) 失語症者群の中では, 軽度非流暢群が良好で, 健常者年代一致群と有意差がなかった.4) ニュースの得点とSLTA等の単独文の理解とは, 強い相関がなかった.以上の結果は, 失語症者の談話の理解は単独文の理解よりも良好とする説を支持するものであり, 日常接するニュースを良く理解していることが推察された.
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