1.わたくしは, わが国30年間の無喉頭音声の変遷と現状を報告した.現在, 喉摘後の発声法には, 1) 人工喉頭 (タピア式) , 2) 食道発声, 3) 電気発声器, 4) 声門再建術があるが, 食道発声が最も広く行われている.
2.銀鈴会28年間の統計的観察と成果: 1) 年齢分布, 2) 年度別入会者数, 3) 発声法の分類, 4) 発声熟練度, 5) 食道声上達者と年齢的関係, 6) 食道声熟練者の上達日数, 7) 食道声熟練者の特殊例について述べた.
3.第3回喉頭摘出者世界大会の感想: 1982年7月, 第3回世界大会が世界24力国参加のもとに東京で開催, この大会で, 医学的問題, 発声訓練の実際と方法, 社会復帰の諸問題が討議された.日本喉摘者の発声技術は, 各国参加者の中でハイレベルにあると思われた.
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