麻痺性 (運動障害性) 構音障害患者80例 (小脳変性症, パーキンソン病, 仮性球麻痺, 筋萎縮性側索硬化症各20例) , 正常者20例, 計100例の発話サンプル (2分間) について, 5名の評定者が聴覚印象による評価を実施し, 以下の知見を得た.
(1) 評定者による評価点のパラツキは少なく, しかも評価の再現性は高かった.
(2) 各疾患群に特有の話しことばと声の特徴が抽出された.なお, これらは正常者のそれとは著明に異なることが明らかとなった.
(3) 今回の研究結果は, これまで報告されている聴覚印象による研究報告, および音響学的レベルや神経学的レベルにおける知見とも, 比較的よく対応していることが示された.
(4) 今回の研究方法は, 麻痺性 (運動障害性) 構音障害の評価や治療に応用しうることが示唆された.
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