音声言語医学
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54 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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原著
  • 明石 法子, 宇野 彰, 春原 則子, 金子 真人, Taeko N. Wydell, 粟屋 徳子, 狐塚 順子, 後藤 多可志
    54 巻 (2013) 1 号 p. 1-7
    公開日: 2013/04/03
    ジャーナル フリー
    発達性読み書き障害児における漢字単語音読の特徴を明らかにすることを目的とし,小学校2年生から6年生の発達性読み書き障害児37名と典型発達児991名を対象に,「小学生の読み書きスクリーニング検査(STRAW)」漢字単語音読課題における誤反応の分析および単語属性効果の検討を行った.誤反応分析の結果,発達性読み書き障害児は典型発達児に比べ,課題語を他の実在語に読み誤る語性錯読および無回答が多く,文字と音の対応は正しいが語単位では誤っている読み方である類音性錯読の出現率が低いという特徴が認められた.単語属性効果に関しては,親密度の高低にかかわらず,心像性の低い語,すなわちイメージが思い浮かべにくい語で誤りやすいことが明らかになった.こうした特徴には,音韻情報処理過程と視覚情報処理過程双方の障害という発達性読み書き障害児の認知能力が背景となっている可能性があり,診断の補助的指標や有効な学習法の開発に役立つと考えられた.
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  • 兒玉 成博, 讃岐 徹治, 湯本 英二
    54 巻 (2013) 1 号 p. 8-13
    公開日: 2013/04/03
    ジャーナル フリー
    一側喉頭麻痺の嗄声に対する外科的治療には,甲状軟骨形成術I型,声帯内注入術,披裂軟骨内転術,神経再建術がある.今回,陳旧性一側喉頭麻痺に対し,披裂軟骨内転術に併用して神経移行術を行った症例の術後発声機能を経時的に検討した.検討項目は,声帯振動の規則性,振幅,声門間隙,空気力学的検査(MPT,MFR),聴覚心理的評価のGRBAS尺度(G,B)である.検討は,術前および術後1,3,6,12,24ヵ月と経時的に評価した.結果,術前後では,MFRの術後1ヵ月の値を除いたすべての項目・時期で有意に改善した.また,術後経時的に比較すると,声帯振動の振幅,声門間隙,MPT,G,Bが術後1ヵ月以降も経時的に改善した.陳旧性一側喉頭麻痺に対して,内転術と神経移行術の併用を行うと,発声機能が術前後で改善するだけでなく,術後も経時的な改善を認め,ほぼ正常声になることが明らかとなった.
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  • 佐藤 公美, 宇高 二良, 長嶋 比奈美, 森実 加奈, 伊藤 美幸, 合田 侑以, 石原 章子, 武田 憲昭
    54 巻 (2013) 1 号 p. 14-19
    公開日: 2013/04/03
    ジャーナル フリー
    音声酷使者の発話環境を知る目的で,データログ機能つき補聴器を用い,自己発話時間と職業,自己発話音圧と他者発話音圧や環境音圧との関連について検討した.幼稚園教諭や保育士では,8時間の勤務時間の1/3以上を自己発話時間が占めており,言語聴覚士,専業主婦,事務職員と比べて長かった.幼稚園教諭の自己発話の平均音圧は85dBと最も強く,次いで保育士の75dBであった.幼稚園教諭と保育士の他者発話時間の比率は約1/2であったが,平均音圧は幼稚園教諭で85dB,保育士で75dBと他の職種より強かった.さらに,他者発話平均音圧が大きいほど自己発話平均音圧が大きい有意な相関が認められたが,自己発話音圧と環境音圧の間には有意な相関は認められなかった.幼稚園教諭や保育士は子供との会話が仕事であり,環境音ではなく他者発話音圧が強いため自己発話音圧が強くなり,音声を酷使している職業的音声酷使者と考えられた.
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  • 中川 琴絵, 松本(島守) 幸代, 伊藤 友彦
    54 巻 (2013) 1 号 p. 20-25
    公開日: 2013/04/03
    ジャーナル フリー
    近年,自閉症児・者の言語の統語的側面に視点を当てた研究が行われ始めており,自閉症児・者は統語的側面にも問題があることが指摘されている.しかし,日本語を母語とする自閉症児・者の統語的側面に焦点を当てた研究はほとんど行われていない.本研究は,知的障害を伴う自閉症児・者の能動文と受動文の理解課題の正答率を典型発達児と比較することを目的とした.対象児は13歳から23歳の知的障害を伴う自閉症児・者12名であった.語い年齢が同程度かそれ以下の3歳から6歳の典型発達児23名を統制群とした.実験者が口頭で提示した能動文または受動文に対応する絵を2枚の絵から選択させた.その結果,自閉症児・者群,典型発達児群ともに,能動文よりも受動文で正答率が有意に低かった.また,自閉症児・者群の能動文と受動文の理解課題の正答率は典型発達児群よりも有意に低かった.本研究の結果,日本語を母語とする知的障害を伴う自閉症児・者は統語的側面に問題を有する可能性が示唆された.
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  • 野原 信, 廣田 栄子
    54 巻 (2013) 1 号 p. 26-34
    公開日: 2013/04/03
    ジャーナル フリー
    高度聴覚障害児(聴障児)の因果性の推論による説明(因果推論)の発達特性を明らかにするために聴覚特別支援学校小学部2~3年生の聴障児21名と3~6歳の聴力正常な典型発達児(聴児)61名を対象にし,因果推論課題を用いて検討した.課題は知識領域と概念水準の二側面について結果を分析した.その結果,聴障児のうち因果推論の正答率高得点例では事象の変化・事物の特性は良好で,自然の変化で低下した.低得点例では,事物の特性でも低下し,4~6歳の聴児と共通した傾向を示した.
    聴障児では知識領域の使用は良好であるが概念水準で遅滞を示した.因果推論は読解能力と相関が高く,本評価に基づく個別指導の有用性が示唆された.本研究で用いた3種課題と,知識領域と概念水準の2側面の評価は,因果推論説明の発達特性の検討に有用と考えられた.
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症例
  • 菊池 良和, 梅崎 俊郎, 山口 優実, 佐藤 伸宏, 安達 一雄, 清原 英之, 小宗 静男
    54 巻 (2013) 1 号 p. 35-39
    公開日: 2013/04/03
    ジャーナル フリー
    成人の吃音患者に,社交不安障害(social anxiety disorder,以下SAD)が40%以上もの高い確率で合併する(Blumgartら,2010).SADにおいては,人と接する場面で強い不安を覚えるばかりでなく,社会生活上に大きな支障を及ぼす可能性があり,精神科・心療内科で薬物療法を行われることが多い.しかし,吃音にSADが合併している場合は,吃音をよく知っている言語聴覚士とも協力したほうがSADから回復し,従来の生活に戻れる可能性が高まる.
    症例は16歳男性,授業で本読みをすることに恐怖を感じ,不登校となった.心療内科でSADと診断され薬物療法を受けるが,本読みのある授業は欠席していた.耳鼻咽喉科に紹介され,環境調整,言語療法,認知行動療法を併用した結果,3週間後に授業を欠席せず登校可能となり,通常の高校生活に戻ることができた.吃音症にSADが合併した症例は,医師による薬物療法だけではなく,耳鼻咽喉科医・言語聴覚士の積極的介入が有用であると考えられた.
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  • 柳 有紀子, 駒澤 大吾, 菅野 倫子, 相川 倫, 尾崎 千宝, 加我 君孝, 渡邊 雄介
    54 巻 (2013) 1 号 p. 40-44
    公開日: 2013/04/03
    ジャーナル フリー
    チューブ発声法により良好な効果を得た鼻咽腔閉鎖機能不全を伴うmuscle tension dysphonia(MTD)の45歳,女性症例を報告した.本症例では発話時に努力性嗄声を認め,喉頭所見では仮声帯の内転と披裂喉頭蓋部の前後径短縮を認めた.
    音声治療でチューブ発声法を行い,声帯筋の緊張緩和を図った.さらに系列語や挨拶文などでの使いこなし(carry over)練習を加えた.
    治療後の結果はMTDスコア,MPT,GRBAS尺度などの音声機能評価にて改善を認め,呼気圧と呼気流率の上昇傾向も認めた.鼻咽腔閉鎖機能についてはチューブ発声時に一時的な改善を認めたものの,訓練後に著明な改善は認めなかった.
    鼻咽腔閉鎖機能不全を伴う本例では,チューブ発声法により,呼気圧の上昇や鼻咽腔閉鎖機能の一時的な改善により口腔内圧が高まることで,発声時の声帯筋緊張緩和を学習できたと考えられた.
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