(目的) 経尿道的前立腺切除術 (TURP) を受け, 共通クリニカルパスにより入院管理をされた患者による評価を検討するために, アンケート調査を実施した.
(対象と方法) 平成14年度にTURPを受けた298例の退院時にアンケート用紙を配布した. 共通パスでは, 手術前日入院, 術後7日目に退院を目標とした.
(結果) アンケートの回収率は80.5% (240/298) であった. 術前入院期間に関する質問に回答のあった212人のうち, 58人 (27.4%) が1日を, 85人 (40.1%) が2日を, 46人 (21.7%) が3日を望ましいと考えていた. 術後入院期間に対する質問に解答した206人のうち, 54人 (26.2%) は7日目に, 28人 (13.6%) が8日目に, 60人 (29.1%) は9~10目に退院するのが望ましいと考えていた. 240人中229人 (95.4%) は患者用パスを受け取り, 234人 (97.5%) は治療法についてよく理解ができ, 229人 (95.4%) は入院中の予定について理解できていたことが明らかとなった. 予定通りに, 236人 (98.3%) は食事が開始となり, 218人 (90.8%) は歩行を開始したと答えた. また, 持続点滴は予定通りに219例 (91.3%) で終了となり, 留置カテーテルは215例 (89.6%) で予定通りに抜去された.
(結論) この研究によりTURPを受ける症例のおよそ70%は手術の1~2日前に入院し, 術後は7~10日間入院していたいと望んでいることがわかった. クリニカルパスを用いて管理を行う際には, 希望より短い入院期間を受け入れてもらうために, 患者が治療の内容, 合併症, 入院中のスケジュール, 退院の目安を理解できるようにすることが重要である.
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