進行精巣腫瘍15例に対してCOMPE (CDDP, VCR, MTX, PEP, Etoposide 5 者併用) 化学療法を1~7コース平均3.2コース施行したのでその成績と副作用について報告する. low dose COMPE化学療法は14例に施行され, CDDPを3日目に5mg/m
2, one push 静注の後, 25mg/m
2を24時間持続点滴, 4日目は30mg/m
2, 24時間持続点滴とする. VCRは1, 2日目に0.6mg/m
2点滴静注, MTXは1日目に10mg/m
2を点滴静注PEPは1, 2, 3日目に10mg/m
2を3分割して筋注する. Etoposide は3, 4, 5日目に100mg/m
2点滴静注する. regular dose COMPE化学療法は1例に施行され, 第3, 4日目のCDDPが50mg/m
2/日まで増量したレジメである. COMPEは, 3, 4週毎に施行された. 化学療法は十分な輸液のものに施行され, 利尿剤は使用しなかった.
組織および病期はセミノーマ5例でIIAが4例, IIBが1例, 非セミノーマ10例でIIAが2例, IIBが1例, IIIB1が1例, IIIB2が4例, IIICが2例であった.
15例中12例は生存しており, 13ヵ月から86ヵ月, 平均39.5ヵ月癌なし生存中である. 化学療法単独で6例はCRとなり, PRは8例であった. PR8例中6例は残存腫瘤摘出ないし放射線療法にてCRとなった. しかし, 残りの2例 (IIIB2, IIIC) はCRにできず, 19, 25ヵ月で各々死亡した. NCの1例 (IIIC) は癌の進行のため5ヵ月で死亡した. 化学療法による副作用には食欲不振, 嘔気, 嘔吐, 脱毛, 白血球減少, 血小板減少がみられたが, 克服できない副作用ではなかった.
COMPE化学療法は進行性精巣腫瘍に効果的で有用な化学療法といえたが, 超進行例にはCDDPの dose intensity が必要と思われた.
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