乾田ジキマキ田とタン水ジキマキ田における土壌構造の違いが落水後の砕土性に及ぼす影響について検討し,次のことを明らかにした。
1) 乾田ジキマキ田の団粒分布は,タン水時のスレーキングによってタン水ジキマキ田の場合とほとんど差がなくなるが,振とう時間を延長するとタン水ジキマキ田の方が,微細団粒が多くなる傾向があった。
2) 土壌のスレーキング特性は,乾田ジキマキ田とタン水ジキマキ田で明らかな差がみられ,前者の方が後者より大きな崩落率を示した。
3) 砕土係数という概念を導入して検討し,水稲跡地土壌の砕土性は,乾田ジキマキ田の方がタン水ジキマキ田よりまさることを明らかにした。
4) 以上の結果から,水稲跡地土壌は一般に砕土が困難で,しかも裏作の整地は作業適期が短いことを考慮すると,乾田ジキマキ田の方がタン水ジキマキ田より有利な点が多いものと推察される。
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