農業土木学会論文集
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1989 巻, 139 号
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  • 松本 康夫
    1989 年 1989 巻 139 号 p. 1-6,a1
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    マサ土に次いで相対的に流亡土砂の多い新第三紀層砂質土からなる開畑圃場において,斜面長と流亡土砂量の関係を現地試験によって検討した。
    試験圃場には,斜面下部を仮畦畔によって遮られ,斜面の長さが連続的に変わるような台形状の区画を選定した。試験圃場を整地後,約2ヵ月間,一連降雨後の土砂移動状況を追跡した。このような圃場では無数のリル状痕跡を主体とした面的な侵食形態を示し,この形態の単位流亡土砂量は斜面が長くなるにつれて増加するといわれてきた。しかし,現地試験結果はこのような傾向が認められなかったので,本報では斜面単位幅当りの流亡土砂量と斜面長の関係として提案した。
  • 木村 晴保, 小浜 正好
    1989 年 1989 巻 139 号 p. 7-12,a1
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    分岐湾での潮汐に誘発される界面長波の算定式を導き,界面波に及ぼす枝湾の影響を明らかにした。
    (1)分岐湾の界面長波の固有振動にはNeumannのインピーダンス法が適用できる。
    (2)界面波の固有振動に及ぼす枝湾の影響は,枝湾の長いものほど固有振動の波数は小さくなる。また,界面波の節の近くに位置する枝湾ほど固有振動に及ぼす影響は小さい。
    (3)界面固有振動周期が潮汐周期に近づくほど誘発される界面波の規模は増大する。
    (4)界面波の節に位置する枝湾には界面波は誘発されない。
  • 行田と越谷の事例
    藤崎 浩幸, 冨田 正彦, 小出 進
    1989 年 1989 巻 139 号 p. 13-23,a1
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究の事例には,作業圃場の3分2のが標準区画30aの圃場整備済である行田の農家と,以前10a区画に整備されたまま都市化されている越谷の農家とを選んだ。請負耕作や作業受託はいろいろな事情により継続しなくなる可能性があるので,まず請負耕作や作業受託の動静について調査した。次に,数多くの圃場を効率よく機械作業可能な水準に個々の圃場がなっているかどうかを,圃場1枚1枚の踏査と農家への聞取りに基づいて分析した。その結果,大規模農家の作業面積は漸増傾向にあるが,主に作業受託地で入れ替わりがある。大規模農家の作業に適した水準の圃場は,行田で全体の4分の1しかなく,越谷では皆無であった。
  • 施設園芸ハウスの耐風性に関する研究 (I)
    篠 和夫, 中崎 昭人
    1989 年 1989 巻 139 号 p. 25-33,a1
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    施設園芸ハウスの耐風性に関する基礎的知見を得るために,風洞風中の剛模型ハウス屋根面に作用する風圧変動を測定し,そのパワースペクトルを求めて変動特性を調べた。モデルは切妻型と丸屋根型とを用いた。切妻型,丸屋根型の両タイプとも上流側屋根面で卓越した変動周波数成分が現れた。これは軒先の剥離流に発生した渦によるものと思われる。また,下流側屋根面では切妻型の場合,屋根角度の小さいモデル以外は卓越変動成分は現れなかったが,丸屋根型の場合には,卓越変動が観察された。したがって,後流渦によるハウスへの振動の影響は丸屋根型の場合の方が大きいことが示された。
  • 施設園芸ハウスの耐風性に関する研究 (II)
    篠 和夫, 中崎 昭人
    1989 年 1989 巻 139 号 p. 35-41,a1
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    施設園芸ハウスは軽量構造物であり,風害を受けやすい。そこで,本研究では,施設園芸ハウスの内,ビニルハゥスのビニル膜の変動を風洞風を用いて測定し,その基本的知見を得ようとした。間口22.5cm,軒高6.1cmの切妻型ハウスを,塩化ビニル樹脂を骨組に用い,ビニル膜にアルミはくを貼付してターゲットにし,膜の変動を測定した。ハウスの屋根角度は,10°,20°,および30°の3ヶースとした。風速は8~20m/sで行った。得られた膜変動のデータから平均変位および変動のパワースペクトルを計算した。その結果,膜の平均変位は剛体屋根面で得られている平均風圧にほぼ従い,卓越振動も剛体屋根面で卓越する圧力変動成分に類似することが分かった。
  • 粘土質土壌の理工学性と土壌構造に関する研究 (V)
    矢沢 正士, 前田 隆
    1989 年 1989 巻 139 号 p. 43-50,a1
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    高含水状態における不撹乱土試料の圧縮(圧密)による構造変化を,圧縮土の収縮挙動を測定することにより検討した。また、圧縮による構造変化と物理性の変化との関連について考察した。
    (1)圧縮による収縮挙動の変化は、取縮曲線上の構造収縮の変化に現れ,圧縮荷重が大きくなると構造収縮は消失する。
    (2)圧縮により構造発達係数の値は減少するが,圧縮荷重が不撹乱土の圧密降伏応力を超えると顕著な減少を示す。
    (3)圧縮により収縮性間隙と死間隙は増加し,構造性間隙は減少する。構造性間隙の減少は全間隙量の減少より大きい。
    (4)収縮性間隙の実測値と計算値から圧縮による構造変化の内容を考察し、圧縮荷重が圧密降伏応力より小さいと団粒の配列変化が、大きいと団粒内の土粒子配列の変化が生じることを推定した。
    (5)圧縮による物理性(透水性、保水性)の変化は構造変化とよく対応しており、飽和透水係数と粗間隙量は圧縮荷重が圧密降伏応力より大きくなると著しく減少する。ただし,細間隙量は圧縮荷重が小さいとむしろ増加する場合もみられる。
    最後に,本研究は北海道大学農学部農業工学科の卒業論文として行われたことを付記し,実験を担当した田中智君(現,大豊建設(株))に謝意を表します。
  • マスコンクリート構造物の温度ひびわれ防止に関する研究 (VII)
    野中 資博
    1989 年 1989 巻 139 号 p. 51-58,a2
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    マスコンクリート構造物の温度応力の解析にはクリープ解析が最適であるが,一般にコンクリートはバイモデュラーな性質を持つため,クリープ特性についてもその性質を確認する必要がある。フライアッシュセメントコンクリートを用いて,圧縮と引張のクリープ試験を行い,試験結果の比較によりその違いを明確にすることを試みた。その結果,やはりクリープ特性も明らかにバイモデュラーであることが分り,クリープ解析への適用の仕方を考えるべきであるとの結論を得た。加えて流速法で定式化する場合に若材令と高応力レベルの試験結果は用いるべきでないということが明らかになった。
  • 國武 昌人
    1989 年 1989 巻 139 号 p. 59-67,a2
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    大きな鉄筋コンクリート製ファームポンドの壁体に,壁厚を貫通するひびわれがはいって漏水の原因となることがある。温度変化による温度応力と乾燥収縮による収縮応力がコンクリートの引張応力を超えるためである。
    コンクリート温度に注目し,有限要素法の農業土木設計への応用という観点から,ファームポンド壁体の内部温度の時間変化を有限要素法で予測する方法を考察し,同時にファームポンド壁体を一部打設して内部温度を計測し,比較して,よく一致することを確認した。
    また,マイクロコンピュータによる解析の可能性および最適な分割要素数と刻み時間間隔を検討し,有限要素法による温度予測方法の有用性を明らかにした。
  • 農業土木学会資料整備委員会
    1989 年 1989 巻 139 号 p. 68-92
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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