さまざまな水質負荷での水稲栽培実験をポットにより行い, 水田土層の浄化機能と用水濃度, 浸透水量および稲の有無との関連を定量的に確かめた。また, 収穫した稲の生育評価をするために生長解析を行い, 水稲に対する用水濃度と浸透水量の影響を検討した。その結果, 用水濃度が1~10mg/
lの時, 浸透量が2~40mm/dの間では水稲有無にかかわらず, T-NやNH
4+-Nの浸透流出水負荷量は低い値で用水からの除去率は70~99%となり, 水質は大幅に浄化された。また, 用水濃度の生長に及ぼす影響は大であった。したがって, 潅漑期間に暗渠等の降下浸透を利用することで窒素成分の水質は浄化され, また, 用水が低濃度であれば収量増が見込まれることを示した。
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