[背景]園や学校の給食における食物アレルギー対策の取り組みは整備されつつある.しかし,実際の給食対応には地域差が存在している.また,児童福祉施設(保育園)と教育施設(幼稚園・小学校・中学校)間の対応の特徴や問題点の相違は把握されていない.
[目的・方法]各施設に特化した柔軟な給食対応策を構築する目的で,栃木県の保育園・幼稚園・小・中学校における食物アレルギー児への給食対応の現状を調査して比較検討した.
[結果](1)給食対応を行っている食物アレルギー児の在籍率は,各施設間で有意な差は認めなかった.(2)保育園では,給食対応のきっかけとして医師の診断書を義務付けている割合が多く,除去食や代替食対応が多く行われていた.(3)各施設とも,給食対応における問題点を抱えており,「施設や設備の不備」は,小・中学校が多く回答した.
[結語]各施設における給食対応や問題点の相違が認められた.医師が提供する医療情報を中心に,各施設の給食体制の特徴をふまえた食物アレルギー対策に取り組む必要がある.
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