日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
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7 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 我妻 義則
    1993 年 7 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 1993/02/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 増田 敬, 宮林 容子, 山口 公一, 遠山 歓, 岩崎 栄作, 向山 徳子, 馬場 実, 小室 苑
    1993 年 7 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 1993/02/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎に合併するアトピー性白内障は著しい視力低下を来すこともあり, 最も重要な眼合併症である.
    我々は, アトピー性白内障を3例経験した. 3例に共通する因子として 1) 重症のアトピー性皮膚炎 2) 気管支喘息の合併 3) 血清IgE高値 4) RAST, 皮膚テストによる抗原検索では, ハウスダスト, ダニの他にカンジダなどで陽性……などがあった.
    アトピー性白内障の予防は最も重要なことの一つである. そして, 白内障の進行は思春期のアトピー性皮膚炎患者の増悪期に生じることが多いことから, この時期に眼科的検査を行い初期のうちにその存在を確認し, また皮膚炎を悪化させないようにコントロールすることが発症, 進展の予防につながると思われる.
  • 大城 清彦, 市川 邦男, 岩崎 栄作, 馬場 實
    1993 年 7 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 1993/02/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    テオフィリン中毒に対し活性炭療法を行い有効と考えられた2症例を報告するとともに, 活性炭のテオフィリン吸着能, 吸着速度および吸着における溶液のpHの影響につき基礎的検討を加えた.
    症例1は4歳6ヶ月の気管支喘息発作にて入院中の男児で, アミノフィリン持続点滴療法と同時に徐放性剤を内服し, 手指振戦を認め, 血中テオフィリン濃度が36.88μg/mlであったため活性炭0.5g/kgを内服した. 活性炭内服後2時間半における消失速度定数は0.158/hであった. 症例2は12歳6ヶ月の同じく気管支喘息発作入院中の女児で, 徐放性剤内服中に気分不快感を訴え, 血中濃度28.79μg/mlであったため活性炭0.5g/kgを内服した. 活性炭内服後1時間50分の消失速度定数は0.148/hであり, 両症例とも本療法は有効であったと考えられた.
    次に基礎的検討をおこなったところ, 7.4gの活性炭に約1gのテオフィリンが吸着した. また吸着は秒単位で進行し, 活性炭添加45秒後には52%, 5分後には79.7%が結合した. さらにテオフィリン溶液のpHが2, 5, 10の場合の活性炭吸着能を比較したところ, pH5における吸着能がもっとも優れていた.
  • 山田 節, 笹本 和宏, 中村 弘典, 山田 恵, 三島 健, 三田 晴久, 信太 隆夫, 飯倉 洋治
    1993 年 7 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 1993/02/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Food dependent exercise-induced anaphylaxis (FEA) と考えられた7歳女児を経験した. 魚を摂取した30~60後の運動によりアナフィラキシー症状を呈し, 数種類の魚に対して皮膚テスト陽性, 血清特異IgE値高値を認めた. 食物摂取後の運動負荷テストは全身性の強い反応惹起を考慮して行わなかったが, 運動負荷試験のみではアナフィラキシー症状は認めなかった. 原因と考えられる食品を除去したところ, その後症状の出現は認めなかった. 魚類によるFEAは非常にまれと考えられたため報告する.
  • 浜崎 雄平, 小林 育子, 松本 重孝, 市丸 智浩, 宮崎 澄雄
    1993 年 7 巻 1 号 p. 28-33
    発行日: 1993/02/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    外因性VIPのモルモット気道平滑筋に対する作用を, Ach で前収縮させた平滑筋標本をもちいて検討し, イソプロテレノール, テオフィリンの作用と比較した. その作用が上皮傷害の有無により, いかなる影響を受けるかについても同時に検討した. 更に, 薬物投与の順序を変更し, VIPを前投与した時 Ach の濃度-収縮曲線がどうなるかをしらべることにより, 活性物質に対する気道上皮の役割について考察した.
    (1) VIPはAch10-4Mで前収縮させた標本にたいして10-9, 10-8, 2.5×10-8Mで用量依存性に弛緩作用を示した. molar base で比較すると, テオフィリンよりもはるかに強力で, イソプロテレノールよりも更に強力であった.
    (2) 上皮傷害によりこれらの物質による弛緩作用はすべて減弱した. 上皮から気道上皮由来性拡張物質が産生されており, 上皮傷害によりこれら薬物の拡張作用は減弱したためと考えられた.
    (3) VIPを前投与した後, Ach の濃度-収縮曲線を検討したところ, (1) の結果とことなり, VIPの作用は明確ではなかった. VIPは時間の経過とともに, おそらくNEPの作用により, 分解され, その弛緩作用が低下することが推測された.
  • 岸田 勝, 笹本 明義, 斎藤 誠一, 松本 広伸, 鈴木 五男, 青木 継稔, 穴田 環, 白木 和夫
    1993 年 7 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 1993/02/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    島根県益田市の乳児園, 保育園および保育所 (計24施設) に在園中の0歳から6歳までの乳幼児を対象に, アレルギー性疾患保有状況についてのアンケート調査を行った. 0歳から6歳までの全園児のアレルギー性疾患保有率は36%であり, 3人に1人は何等かのアレルギー性疾患に罹患しており, アレルギー性疾患の内約3分の1が気管支喘息であり, 残り3分の2がアトピー性皮膚炎であった.
  • 食物アレルギーの早期発見と気管支喘息発症の予知
    堀場 史也, 宇理須 厚雄, 和田 映子, 近藤 康人, 鶴田 光敏, 矢崎 雄彦, 増田 進, 小沢 徹
    1993 年 7 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 1993/02/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    乳児期のアレルギースクリーニングのため特異的IgE抗体 (以下RAST) を検査する対象の臨床症状, 月齢ならびにRAST項目を決定するため, 生後6カ月以下の乳児255名 (男/女: 151/104) を対象に, 卵白, 牛乳, 米, 大豆, ヤケヒョウヒダニの5項目に対するRASTを測定した. 判定はいずれか1項目でも陽性 (RASTスコア2以上) であった場合にRAST陽性とした. 乳児期にアレルギーのスクリーニングの対象は, 湿疹とアレルギー疾患の家族歴のいずれか, あるいは, 両者を有している乳児で生後5カ月前後とするのがよい.
    実施するRAST項目は, 最少項目数で行うとするならば, 卵白と牛乳を優先するべきである.
    さらに, 乳児期RAST陽性者は気管支喘息発症率が陰性群と比較して高率であり, 気管支喘息発症 high risk 児と言え, さらに, 乳児期RAST陽性群の湿疹はRAST陰性群と比較して持続しやすいという結果が得られた.
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