小児気管支喘息患者で血清鉄を測定し, 気管支喘息との関連性を検討した. 小児気管支喘息患者29名 (男21例女8例) について, 9時から12時までに採血し, 赤血球数 (RBC), ヘモグロビン (Hb), MCV, 血清鉄, UIBC, TIBC, フェリチン, IgEを測定した. 気管支喘息患者全体では, IgEを除いて参考値範囲内であった. さらに, 気管支喘息患者をステロイド非吸入群とステロイド吸入群とに分けて検討したところ, 両者間で, RBC, Hb, MCV, UIBC, TIBC, IgEについては有意差がなかった. しかし, 血清鉄はステロイド吸入群で有意に低下していた. また, フェリチンでは有意差は認められなかったが, ステロイド吸入群で低下傾向が認められた. このことから, ステロイド吸入群で潜在的鉄欠乏の存在が考えられた.
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