DSCGエアゾールとDSCG液の効果の違いを高張食塩水吸入試験を用いて検討した. 対象は, 施設入院中の気管支喘息児9例 (男5例, 女4例, 8-14歳) である. 患児それぞれに, control (生理食塩水, 2ml), DSCG 2puff (2mg), DSCG 4puff (4mg), DSCG 1A (20mg, 2ml) を2日以上7日以内の間隔をあけ吸入させ, その15分後に3.6%高張食塩水吸入試験を行った. 各群において高張食塩水吸入試験前の%FEV
1.0に有意差を認めなかった. DSCG 2puff, DSCG 4puff, DSCG 1A (20mg) 吸入後のPD
20は, コントロールと比して有意に上昇しており, いずれのDSCG吸入もPD
20を有意に改善させた. DSCG吸入群間では, DSCG 4puff は2puff より有意にPD
20を改善させたが, エアゾールと液剤との間には有意差を認めなかった. 一方, 個人別にみると, DSCGエアゾールの効果に関して, コントロールと比べPD
20が改善する例とほとんど変化しない例に分かれ, PD
20が2ml以下の気道過敏性が高い5例中4例では, エアゾール2puffの高張食塩水吸入に対する抑制効果はほとんど認められなかった.
以上の結果より, DSCGエアゾールは気道過敏性の低い軽症例ではDSCG液と同等の効果が期待できるが, 気道過敏性の高い重症例では, 1回2puff吸入は不十分である可能性が示唆された. 今後は, 重症度別にDSCGエアゾールの効果を吸入量も考慮して判定する必要があると考えられた.
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