国立大竹病院小児科受診中のフルチカゾン吸入 (22名) ないしプランルカスト (14名) 治療開始時に軽症持続型ないし中等症持続型の小児気管支喘息患者 (7-15歳) で, テオフィリン徐放薬も併用しつつ, 6か月以上治療後, 5か月以上継続して喘息日誌上発作をみとめなくなった児を対象とし, 治療開始前と発作抑制後の2回, メサコリンを用いて, 気道過敏性閾値の推移を検討した. 治療開始前, 発作抑制後の閾値の幾何平均は, フルチカゾン吸入で, 前243.5μg/mL, 後2074.6μg/mL, プランルカストで, 前238.1μg/mL, 後862.7μg/mLで両者とも有意の改善をみた. フルチカゾン吸入の児では, 22名中13名が治療前後で8倍以上の閾値濃度の改善をみたのに対し, プランルカスト投与では14名中3名にみとめたのみで, フルチカゾン吸入児に, より改善傾向をみ (p=0.0611), 治療開始前の閾値の196μg/mL以下の児19名の検討では両治療間に有意の差を観察した (p=0.0238). 喘息日誌上発作がほぼ同期間抑制されている児の間でも, 使用抗炎症薬により気道過敏性に差をみることが示唆された.
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