ダニ抗原刺激による全血よりのヒスタミン遊離試験を行ない, そのヒスタミン値を高速液体クロマトグラフィー (HPLC) と Radioimmunoassay (RIA) で測定し比較検討した. 対象は, 当院入院または通院中のダニIgE RAST Score 4の気管支喘息患県9例 (男5, 女4, 6~13才) である. ヒスタミン遊離試験において, ダニ抗原添加濃度が10
-4~10
0μg/mlでの遊離ヒスタミン量と Spontaneous 遊離ヒスタミン量, そして凍結融解法で得られた総ヒスタミン量を2つの方法で測定し, 両対数で比較すると, 非常に高い相関 (r=0.948, n=63, p<0.001) を示した. RIA法による in vitro のヒスタミン遊離試験は, 1ml程度の少量の採血で比較的簡便にでき, 個々のアレルギー疾患の病態とヒスタミンの関わりを検討することも可能な臨床上有用かつ信頼できる検査法といえる結果であった.
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