日本小児アレルギー学会誌
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9 巻 , 4 号
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  • 杉本 日出雄, 松田 秀一, 黒沼 忠由樹, 松江 信之, 矢野 南巳男, 西澤 和倫, 橋本 光司, 西牟田 敏之, 関根 邦夫, 山崎 ...
    1995 年 9 巻 4 号 p. 282-288
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    施設入院療法を行った喘息児を通年性になってから2年以内と3年以上の2群に分け, 患者背景, 使用薬剤, 呼吸機能, 気道過敏性, 運動能力について, 入院時と退院時とで検討した. その結果, 1) 入院時には患者背景, 使用薬剤, 気道過敏性, 運動能力に差は認められなかったが, 呼吸機能は3年以上群で有意に低値を示した. 2) 入院時と退院時を比較すると, 両群とも施設入院療法により一部を除き使用薬剤は減量あるいは中止され, 検査成績も改善した. 3) 退院時の両群の検査成績を比較すると, 3年以上群では2年以内群に比べ, 一秒量, PEFR, V50, V25とアセチルコリン閾値が有意に低値を示し, 改善が劣っていた. 以上より喘息児が重症化した場合には薬剤による見かけの症状の改善に満足することなく, アレルゲンや気道刺激物の整備, 心身の鍛錬などを積極的に指導することや施設入院療法を考慮することが重要と考えられた.
  • 神田 康司, 武田 昭, 藤田 直也, 牛嶌 克実, 田中 秀典, 永井 幸代, 岸 真司, 石井 睦夫, 矢守 信昭, 山口 信行, 上村 ...
    1995 年 9 巻 4 号 p. 289-293
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    当院は救命救急センターとして地域の3次医療を担っており, 喘息重症発作児の発作前治療内容, 発作時の状況を検討することは今後の治療, 予防対策を考える上で重要である. 1991年1月から1993年12月までの3年間に8人がICUに入院した. 入院カルテを元にその患児の病歴, 治療歴, 検査成績を検討した. 3人にβ刺激薬のMDIが処方されていた. そのうち1人は死亡した. MDIが処方されていた3人の発作の始まりからICU入院までの時間は, 処方されていない症例より有意差はないが短い傾向にあった. 2症例はMDIが本人管理になっていた. その2症例の最初に採血できた血液ガスpH値は7.04と7.05と特に低く, 発作からICU入院までの時間も1.5と7時間と特に短かった. MDIが喘息発作の急激な悪化に影響を与えていた可能性も考えられる. MDIを処方する場合は使用状況もチェックして行くことが重要と考える.
  • 松本 勉
    1995 年 9 巻 4 号 p. 294-302
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本邦において多種類の果物・野菜アレルギーについて検討した報告はない. 小児期に果物・野菜アレルギーの頻度は少ないといわれているが, 重篤な誘発例も報告されている. そこで食物アレルゲンにすでに感作されている小児アトピー性疾患児175名を対象に, 22種の果物・野菜について誘発歴の有無, RAST, プリックテスト (SPT: skin prick test) について検討した. 果物・野菜の摂取による誘発歴を認めたものは28名 (18.1%) に過ぎなかった. 101名 (57.5%) が22種の果物・野菜アレルゲンのいずれかにRASTで陽性を示した. RAST陽性率は, 年長児ほど高く, このうちキウイが最も高く (40.0%), バナナが最も低かった (10.9%). 各アレルゲン間のRASTでは, 植物学上の分類と異なった相関を示した. 誘発歴が明らかな食物として多いものはキウイ, トマトであり, その多くは口囲・口唇・口腔の発赤・血管性浮腫・掻痒・刺激感などの症状 (以下 oral 症状と略す) を示した. 果物・野菜におけるRAST, SPT, 誘発症状は必ずしも一致しないので, アレルゲンと検査の特性を把握しながら診断を進める必要があると思われた.
  • 赤平 百絵, 東 寛, 佐々木 一弘, 奥野 晃正
    1995 年 9 巻 4 号 p. 303-307
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    気管支喘息患児の血清 Interleukin 6 (IL6) 活性を測定した. 対象は, 喘息発作群10名 (発作回数11回), 喘息間欠期群3名, 上気道炎群29名および対照群28名で, いずれも年齢は1-15歳である. 血清IL6活性の測定には, IL6依存性細胞株MH60. BSF2を用いた. 血清IL6活性は対照群で, 0.627±0.035U/mlであるのに対し, 喘息発作群は, 1.152±0.230U/ml, 喘息間欠期群, 0.822±0.080U/ml, 上気道炎群, 1.139±0.105U/mlであった. 喘息発作群は対照群と比べて統計的に有意差 (P<0.05) をもって高値であったが, 喘息間欠期群は, 対照群と比べて有意差を認めなかった. 喘息発作群では, 血清IL6活性が上昇していると判断された.
  • 神田 康司, 岩佐 充二, 安藤 恒三郎, 今枝 弘美, 鈴木 悟, 大内 正信, 渡辺 勇, 後藤 玄夫, 川北 章
    1995 年 9 巻 4 号 p. 308-313
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    名古屋市は小児アレルギー性疾患の早期予防のために各保健所の3カ月検診にて, 湿疹や喘鳴の既往あるいはアレルギー性疾患の家族歴のある児のスクリーニングを行い, 市内12病院に総IgE値, 卵白, 牛乳, ダニ特異的IgE値, 好酸球数の血液検査と生活指導の委託業務を施行してきた. 今回は保健所より紹介され名古屋市立城北病院小児科を平成4年1月から平成5年1月までに受診した乳児249人 (男児134人, 女児115人, 平均5.8±2.3カ月, 3から12カ月) のアンケートと血液検査の結果を検討した. その結果, 母乳栄養児の卵白特異的IgE値が混合あるいは人工栄養児より有意に高値を示した. これは経母乳感作の重要性を示していると考えられた. アレルギー素因が強いと考えられる児では母乳を介する感作, アレルギー症状の発現の可能性を考えて, 母親に対して食事, 生活環境の指導をしていくことが重要と考える.
  • 松丸 信一
    1995 年 9 巻 4 号 p. 314-320
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    該当食物に対する特異IgE抗体陽性の食物アレルギー児12例に対し13回の経口食物負荷試験を行い, 誘発された症状と血中ロイコトリエンB4, ロイコトリエンC4+D4+E4 (以降 Peptide LT) 濃度, 血中好中球数の変化を経時的に測定した.
    その結果, 即時型の誘発症状を示す群では, 血中 Peptide LT, LTB4濃度はともに誘発症状の発現時期とほぼ一致した負荷後1時間と, 症状のピークよりやや遅れた負荷後4時間に二相性の上昇を認めた. また血中好中球数はLTB4の第一のピークにやや遅れて上昇し始め, LTB4の第二のピークとほぼ同時期にピークを示した.
    遅発型の誘発症状のみを認めた群では, 血中 Peptide LT濃度は負荷後30分と負荷後3~4時間に二相性の軽度な上昇が認められたものの, 即時型の誘発症状はなかった. 一方, 血中LTB4濃度は負荷後6時間のみに明かな上昇を認めた. しかし血中好中球数は明かな上昇は認めなかった.
    以上より, ロイコトリエンが即時型アレルギー反応の症状誘発, 遷延に関与している可能性が示唆された.
  • 野間 剛, 中村 靖, 吉沢 いづみ, 川野 豊, 馬場 実
    1995 年 9 巻 4 号 p. 321-326
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    アレルギー疾患における病因抗原の検索や病勢の把握の指標として有用であると考えられるリンパ球の抗原特異的IL2反応性試験において, 測定に必要な採血量を減少させる目的で, テラサキプレートを用いた微量測定系 (マイクロ法) を検討した. 本法では2×103~6×104という極めて微量の細胞数を用いて測定可能であり, マイクロ法は, 従来の方法と同等に, 抗原特異的IL2反応性が測定された. 成績は, 従来法の結果と良好な相関 (r=0.888, p<0.001) を示した. 本法の確立により, 検査に必要な検体量は従来法の約10分の1に減少可能であると考えられた. 本法は, 採血量が制限される乳幼児のアレルギー疾患の病因抗原の検索や, 病勢の把握に有用であると考えられた.
  • 豊島 協一郎, 岡田 伸太郎, 西田 勝, 池田 輝生, 河 敬世
    1995 年 9 巻 4 号 p. 327-332
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    3歳以下の喘鳴歴のないアトピー性皮膚炎患児に, オープンスタデイーでトラニラスト, ケトチフェンを1年間投与したところ, 喘息発症率は不投薬群に比べ有意に低く, トラニラスト群とケトチフェン群では差がなかった. この事から, アトピー性皮膚炎患児への長期投与による喘息発症予防効果は経口抗アレルギー剤に広く認められる作用である可能性が高く, 今後他の抗アレルギー剤についても検討が必要である.
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