該当食物に対する特異IgE抗体陽性の食物アレルギー児12例に対し13回の経口食物負荷試験を行い, 誘発された症状と血中ロイコトリエンB
4, ロイコトリエンC
4+D
4+E
4 (以降 Peptide LT) 濃度, 血中好中球数の変化を経時的に測定した.
その結果, 即時型の誘発症状を示す群では, 血中 Peptide LT, LTB
4濃度はともに誘発症状の発現時期とほぼ一致した負荷後1時間と, 症状のピークよりやや遅れた負荷後4時間に二相性の上昇を認めた. また血中好中球数はLTB
4の第一のピークにやや遅れて上昇し始め, LTB
4の第二のピークとほぼ同時期にピークを示した.
遅発型の誘発症状のみを認めた群では, 血中 Peptide LT濃度は負荷後30分と負荷後3~4時間に二相性の軽度な上昇が認められたものの, 即時型の誘発症状はなかった. 一方, 血中LTB
4濃度は負荷後6時間のみに明かな上昇を認めた. しかし血中好中球数は明かな上昇は認めなかった.
以上より, ロイコトリエンが即時型アレルギー反応の症状誘発, 遷延に関与している可能性が示唆された.
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