文献資料に比較した場合, 客観性・正確性において優れている写真画像の有効性を主張し, デジタル化による普及を企図する.近世から近代にかけての時代考証資料として注目されて来ている.学術研究分野, 社会教育分野に対して有益であり, 商品としての市場性は高い.現存数に限界がある写真画像は今日のコンピュータ社会ではデジタル化利用が有効である.過去, 貴重資料の利用は所有機関・個人の所有権保護が叫ばれ, 古写真画像も同様であった.販売する業者は購入者の不利益 (満足度) を考慮し複製作成は禁忌としてきたが, これは幅広い有効利用を損ねるものであった.今般丸善が古写真CD商品を作成したことは, その禁忌を破るものである.この中に収められている1600枚以上の画像のほとんどは, 作成時に丸善が商品として所有していたものであるが, 数十枚程度は, CD作成に前後して売却されている.さらに1年を経た平成14年3月現時点では数百枚が市場顧客の手に渡っている.丸善では今後, 同様の手法によるデジタル化を企図するが, 幅広く意見を求めたい.
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