日本写真学会誌
Online ISSN : 1884-5932
Print ISSN : 0369-5662
ISSN-L : 0369-5662
74 巻, 6 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
特集:光電変換効率をいかに上げるか?
解説
特集:技術賞受賞
解説
一般論文
  • 谷 忠昭
    2011 年 74 巻 6 号 p. 308-314
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/12/19
    ジャーナル フリー
    写真の色素増感に関する電子移動機構とエネルギー移動機構の間の長年の論争は,ハロゲン化銀(AgX)表面の色素分子のイオン化エネルギーが真空中に比べて1.5-2 eV小さいことと,色素/AgX界面で真空準位がシフトすることが明らかにされて電子移動機構が定説となった.本研究では残されていた問題である色素/AgXおよびゼラチン/AgX界面の電子構造の解明に紫外光電子分光法(UPS)などを用いて取り組んだ.その結果,色素分子の双極子のAgX表面への配向および表面の銀イオンとハロゲンイオンの偏位(Rumpled effect)の有機層による緩和がAgXのイオン化エネルギーを減少させることを明らかにした.Rumpled effectの緩和はまた,色素増感で採用されているAgXのイオン化エネルギーが超高真空中での高純度のAgXより小さい理由の説明ともなった.かくして残されていた問題の原因は明らかになり,電子移動機構が一層確かなものとなった.
  • 佐藤 慈, 坪井 麻早記, 青木 直和, 小林 裕幸
    2011 年 74 巻 6 号 p. 315-319
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/12/19
    ジャーナル フリー
    本研究では,顔画像から受ける人物印象に与える画質の効果が,相貌や性別といった個人差によって異なるのかどうかを検討した.相貌および性別の異なる複数の顔画像を実験に用い,それらの画質をコントロールした刺激画像上の人物の印象を3個の形容詞対(「親しみやすい-親しみにくい」「活発な-おとなしい」「まじめな-ふまじめな」)からなる5件法の質問紙によって被験者に評価させた.その結果,相貌や性別に比較的関係なく効果を及ぼす画質操作と,相貌や性別によって効果の異なる画質操作があることが分かった.
  • 犬井 正男, 加藤 勝, 佐藤 真知子, 東 吉彦, 齋藤 大輔, 水野 統太, 菊地 敬夫, 吉村 作治
    2011 年 74 巻 6 号 p. 320-325
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/12/19
    ジャーナル フリー
    我々は古代エジプト王アメンヘテプ3世の王墓壁画のデジタル化を行っている.均一な照明を行うために2灯のストロボをアンブレラにつけて撮影を行っている.しかし,照明はまだ均一にはなっていない.この不均一照明を照明モデルを用いて補正することを試みた.この照明モデルでは,ストロボをアンブレラにつけた照明をより遠方にある点光源からの照明と見なしている.壁画を模した画像に白色パッチを貼って撮影した画像から補正を行い,さらに白色パッチの換わりに均一な背景部だけから補正を行うことにより,この照明モデルの有効性を確認した.
feedback
Top