日本写真学会誌
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73 巻, 2 号
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特集:もう一つのカメラの世界
  • 馬場 信幸
    原稿種別: 特 集:もう一つのカメラの世界  解 説
    2010 年 73 巻 2 号 p. 59-64
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    画像がすべて電子的に処理できるデジタルカメラは,フィルムカメラでは不可能かつ大変有効な撮影方法を可能にした.写真としての記録輝度域の拡大,多彩な色再現性,撮影してすぐに画像の確認ができることによる利点,電子マグニファイヤーによる確実なフォーカシング,ボディ内手ブレ補正,など.これらの機能を使った撮影法とその効果を紹介する.
  • 後藤 哲朗
    原稿種別: 特 集:もう一つのカメラの世界  解 説
    2010 年 73 巻 2 号 p. 65-69
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    '61にソ連・ガガーリン飛行士が地球周回軌道の飛行に成功した後,米国が同等のミッションに成功したのはグレン飛行士による翌'62のマーキュリー6計画用フレンドシップ7号であった.アメリカ航空宇宙局(NASA)はそれ以前から撮影機材を多用しており,膨大な事象記録と解析データ取得に成功している.
    ニコンはアポロ計画以来スペースカメラを提供し続けており,NASAから求められる信頼性・高品質と極限状態に耐える性能をすべて実現して多大な貢献をしている(Fig. 1).
    以下にその改造内容と実績などについて,また情報は少ないもののニコン以外のスペースカメラについても言及する.
特集:2009年のカメラ
  • 岡本 充義, 井上 義之
    原稿種別: 特 集:2009年のカメラ  解 説
    2010 年 73 巻 2 号 p. 70-74
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    パナソニックは,マイクロフォーサーズ規格に準拠した「LUMIX DMC-GH1」を2009年4月に,「LUMIX DMC-GF1」を9月に発売した.これらのカメラはいずれも発表当初から話題となり,GH1は発売後,高精細HD動画を実現において高い評価を,GF1は,マイクロフォーサーズの特徴を最大限に生かしたコンパクトさにおいて高い人気を博し,マイクロフォーサーズの高いポテンシャルを世に示した.本章では,マイクロフォーサーズの基礎的な技術であるコントラストAFの動画対応における更なる改善,更に,その他の動画に関する技術について解説する.
  • 小川 治男
    原稿種別: 特 集:2009年のカメラ  解 説
    2010 年 73 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    オリンパスの「マイクロ一眼」と称している「オリンパスペンE-P1」は,高画質のミラーレスカメラのための新規格「マイクロフォーサーズ」に準じたオリンパスの第一弾の商品である.2009年7月3日に発売以来,「上質な持ちモノ・上質な操作性・上質な表現力」というコンセプトを受け入れていただき,好調な販売を続けている.一方,銀塩フィルムのハーフサイズカメラ「オリンパスペン」は1959年に初代機が登場して以来,「小型軽量・独創的な機構・魅力あるデザイン」で一世を風靡し,17機種で1700万台を超える販売台数を記録した.その,50周年にあたる2009年に「オリンパスペンE-P1」を発売できたことは,話題性はもとより情緒的価値を訴求する点において,大きな推進力となった.
    今回,マイクロフォーサーズ初号機を企画するにあたり,単なる機能的価値だけではなく,情緒的な価値を盛り込んだ商品企画の考え方について説明したい.
  • 堀井 洋史, 小田 和也, 佐藤 均, 西村 亨
    原稿種別: 特 集:2009年のカメラ  解 説
    2010 年 73 巻 2 号 p. 81-84
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    当社は2009年8月に世界で初めて,3D撮影可能なCCDデジタルカメラ“FINEPIX REAL 3D W1”を発売した.W1は10メガピクセルCCD,3倍ズームレンズからなる撮像部を2基搭載.さらに背面に設けられた裸眼立体視可能な3D/2D液晶モニターに立体画像を表示することで,誰でも簡単に3D映像を楽しむことができる.
  • 戸倉 剛
    原稿種別: 特 集:2009年のカメラ  解 説
    2010 年 73 巻 2 号 p. 85-89
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    デジタル一眼レフカメラEOS 7Dは,APS-Cサイズ・約1800万画素CMOSセンサー,新エンジンDIGIC4,各種新規キーデバイスを搭載することで「圧倒的な高性能」と「五感に訴える質感」の実現を目指して開発したハイアマチュア向けの一眼レフである.本稿では,本機の特徴について紹介する.
  • 川内 拓
    原稿種別: 特 集:2009年のカメラ  解 説
    2010 年 73 巻 2 号 p. 90-93
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    デジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-7」は,一眼レフカメラの最も基本的で重要な要素といえるファインダーやシャッター機構,連写機能,露出制御,AF性能などを全て見直すとともに,動画撮影や自動水平補正などの新機能も存分に盛り込みながらペンタックスらしい機動性に富んだコンパクトなボディサイズを実現した.ここでは主に企画背景と特徴的な機能について解説する.
  • 古山 久樹, 姜 華
    原稿種別: 特 集:2009年のカメラ  解 説
    2010 年 73 巻 2 号 p. 94-98
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    ニコンD3Sは,いくつもの先進的な機能を備え,主にプロフェッショナルフォトグラファーをターゲットとして開発をおこなった.ノイズを抑えたISO12800の静止画撮影を実現するとともに,HD品質の動画記録機能を備えている.本稿では,これらの特徴と技術について解説する.
一般論文
  • 山田 勝実, 木村 行佑, 白滝 達也, 深井 薫
    原稿種別: 一般論文
    2010 年 73 巻 2 号 p. 99-103
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    酸化チタンや酸化亜鉛などの金属酸化物のコアキシャルナノロッド膜は,金ナノロッド膜電極上に水溶液から低温電気化学析出により調製された.酸化チタンコアキシャルナノロッドセルの+0.4 Vでの光電流(+23.7 μA cm-2)は,金平板電極上の酸化チタン薄膜を用いたセル(+5.5 μA cm-2)より4.3倍も大きい値であった.光電流の差は,活性な電極面積の差のみならず,主に採光やキャリア発生の改善のためと考えられる.
  • 上三垣 さゆり, 平井 経太, 山本 昇志, 瀧 圭亮, 津村 徳道, 中口 俊哉, 三宅 洋一
    原稿種別: 一般論文
    2010 年 73 巻 2 号 p. 104-112
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    本論文では,CIECAM02を用いた照明環境下におけるプロジェクタ投影画像の画質改善手法について述べる.プロジェクタは暗室環境下での利用が一般的ではあるが,近年の小型化・可搬性の向上により,屋外や展示会場などでも活用されはじめている.照明された環境下では,明るい光源をプロジェクタに用いることで文字情報は認識可能である.しかし,画像を投影する場合はコントラストの低下や色度のズレにより,暗室下のような再現が困難となる.そこで本研究では,周囲環境光変化の視覚的な影響を考慮した投影画像の画質改善手法を開発した.提案手法では,カメラを用いてプロジェクタ投影面の三刺激値を計測したのち,その三刺激値に順応した場合の反対色応答と明るさ応答をCIECAM02から算出する.そして,照明された環境下での反対色応答とコントラストを暗室下での見えに近づける補正を行うことにより,画質改善を行った.両眼隔壁を用いた一対比較法による主観評価実験を行い,有効性を確認した.
  • 和崎 浩幸, 羽石 秀昭
    原稿種別: 一般論文
    2010 年 73 巻 2 号 p. 113-122
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/10
    ジャーナル フリー
    バイラテラルフィルタは,エッジを保存しながら効果的なノイズ除去を行うフィルタである.バイラテラルフィルタには,フィルタ特性を決める2つのパラメータσd,σrがあるが,その適値は画像やノイズ強度に依存するため,設定方法が問題となっている.本論文では,平坦領域の平均色におけるノイズ知覚感度を用いてバイラテラルフィルタのパラメータσd,σrを適応的に決定し,フィルタリングを行う手法を提案する.ノイズ重畳画像を用いたノイズ除去実験により,提案手法が処理画像や重畳ノイズ強度の変動に対して強く,良好なフィルタリングを行うことが確認された.
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