分光増感の科学的研究とその技術への反映を歴史的に概観した. 1920年代以来, 分光増感の機構に関する研究が特に次の分野で広汎になされ, 近年には増感の基礎過程を明らかにすることに成功した: 1. 増感色素分子の物性, たとえば光吸収特性と酸化還元電位, 2. 色素の乳剤粒子表面への吸着, 3. 色素分子会合, 4. 異種色素問の共同効果 (スーパーセンシティゼーショソ) と5. 増感過程の速度論. このようにして蓄積された知識は, 増感色素を有効に機能させるための技術の発展をもたらし, 高性能カラー感材の開発に貢献した. 一方1980年代に導入された平板状乳剤粒子は, 光を有効に吸収する, より多くの色素の組み込みを可能にし, 感材性能の新たな成長をもたらした.
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