「写真の進歩」は,毎年一度時期を決めて前年一年間の写真技術の動きを振り返ることにより,日々進歩を続ける写真技術の全体像を時系列的に俯瞰することを狙いとして,継続的に取り組んでいる企画です.執筆陣は,技術委員会傘下の各研究会の代表者を中心に,外部の識者も加えた各分野の専門家により構成されています.各執筆者は担当の分野に応じた観点から,主として前年一年間に発表された技術(文献),製品,作品,統計等について,可能な限りその特徴・傾向・分析などのコメントを加えつつ紹介します.なお具体的な内容については各執筆者の意向を尊重しています.過去の「写真の進歩」は,本学会誌の内容を一定期間が経過した後に無償Web公開しているJ-STAGE*の日本写真学会誌ページ(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/photogrst/list/-char/ja)で見ることができます.各巻(年)の3号を検索すれば,本特集「写真の進歩」全文のpdfファイルが掲載されています.分野ごとに連年の記事を追って頂けば,定点観測的な視点から眺めて頂けると思いますのでご利用下さい.
* 国立研究開発法人科学技術振興機構による,科学技術情報発信・流通総合システム
デジタル一眼カメラ“EOS R”は将来の発展性を見据え,キヤノンが新開発した「RFマウント」を採用した,新たなるイメージングシステムの第一号機で,約3030万画素フルサイズCMOSセンサーや,映像エンジンDIGIC 8等のキーデバイス,フレキシブルAE(Fv)モードや,マルチファンクションバーなどの新機能,EV-6での低輝度合焦や,画面の約88%×約100%の広範囲でAFが可能なデュアルピクセルCMOS AFなどを搭載し,EOSの信念である「快速・快適・高画質」をより高度なレベルで実現したフルサイズミラーレスカメラである.
本稿 では本機種の特徴的な機能について説明する.
オリンパスでは,“ボケを極める”M.ZUIKO PRO F1.2シリーズレンズとして,3本の大口径F1.2単焦点レンズを発売した.ボケを光学設計段階から創りあげることにより,ピントの合っている部分の高解像はもとより,アウトフォーカス部分の表現力を広げることで,写真の表現領域の拡大に貢献している.
今回は,M.ZUIKO PRO F1.2シリーズレンズの特長である「美しくにじむボケ」について説明する.
2018年8月23日,ニコン初のFXフォーマットミラーレスカメラ「Nikon Z 7」「Nikon Z 6」,NIKKOR Zレンズとアクセサリーで構成される「Zマウントシステム」を発表した.ここではZ 7,Z 6の様々な開発要素について説明する.