日本写真学会誌
Online ISSN : 1884-5932
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78 巻, 4 号
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特集:見えてきた原子核乾板活用の世界
成果解説
  • 佐藤 修, 小松 雅宏
    2015 年 78 巻 4 号 p. 212-217
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/21
    ジャーナル フリー

    『スーパーカミオカンデによるμニュートリノの消失はτニュートリノへの変化(=ニュートリノ振動)なのか?』 この問いに答えるべくOPERA実験はμニュートリノを730 km飛行させ,ニュートリノ振動が起きていれば出現するはずのτニュートリノを直接捉えることで検証すべく立案された.τニュートリノの同定には反応点から放出された飛程1 mm程度の短寿命のτ粒子の崩壊を確実に捉えることができる高位置分解能を持つ原子核乾板が使われた.ニュートリノはほとんど物質と反応しないため大量の標的及び原子核乾板が必要で,過去の原子核乾板実験のような研究者自ら塗布をして乾板を製造すること不可能であった.
    OPERA実験では富士フィルムの工場で機械塗布された原子核乾板,葉書大のOPERAフィルム930万枚を用いた.実験実施にあたり,OPERAフイルムに蓄積された環境放射線の除去等,新しい技術も開発された.ニュートリノ反応数を蓄積するため5年にわたる長期間ニュートリノ照射を行い,μニュートリノビーム中に5例のτニュートリノ出現事象を捉え,τニュートリノの出現を疑い様のない信頼性で立証した.

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特集:キャリア高移動度の追求
解説
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