1．はじめに

筆者は大学において，ガス漏れの発生箇所を自動探索するロボットシステムの研究開発を行っている。人体に有毒なガスや爆発の危険性があるガスが漏れ出しても，ほとんどのガスは無色

将棋界までが「元号」という時代区分に揺さぶられるとは，全く驚いた。平成最後の年の瀬2018年12月21日，前人未到の「七冠同時制覇」を誇った羽生善治九段が下関のホテルで催された竜王戦の第7戦に敗れ，

1．はじめに

「電流」「スピン流」「熱流」，この3者における交差相関現象を取り扱うスピンカロリトロニクス^（1）は，根幹をなす物理機構の解明という基礎学問的な興味のみならず，昨今重要視されているエネルギーハーベスティングや熱マネジメントの新技術としても注目を集めている。このスピンカ

1．はじめに

本稿で依頼されたのは「新材料を舞台とした」スピン輸送やスピン変換などの諸現象である。「新材料」の定義は難しく，また筆者らはシリコンなどの汎用性の高い材料にも大きな興味を持って研究を推進しているので，筆者らの研究の全貌を紹介することもまた難しい。限られた紙面と

1．はじめに

近年，ディープラーニングをはじめとする人工知能は目覚ましい成果を挙げ^（1），我々の社会に欠かすことのできないものとなっている。これら人工知能はヒトをはじめとする生物の脳にならって作られたアルゴリズムを基盤としている。脳に存在するニューロンとシナプスをノードとノー

1．はじめに

今日の情報化社会においては，情報処理を担う論理演算デバイスと情報の蓄積（記憶，記録）を担うメモリやストレージデバイスが重要な役割を果たしている。それらの代表的なデバイスとして，前者はトランジスタや半導体集積回路，後者はハードディスクがある。半導体中の電子の

1．はじめに

我が国では，JR東日本のSuica^＊1を始めとする交通系カードの普及により，電子マネー決済が浸透し，その機能はスマートフォンにも搭載され，ごく身近なものとなっている。

しかし，電子マネーのようなキャッシュレス決済の比率は，キャッシュレス化が進む諸外国が40～60％であるの

1．はじめに

『速く計算できたとして，何の意味があるのか？』

これはGPU（graphics processing units）が汎用計算に利用されるようになりつつあった黎明期^（1）に，筆者がある研究会で発表を行ったときに会場から言われたコメントである。その時は，メニーコアアーキテクチャによる高速並

1．はじめに

本稿では100％太陽光由来の電力を用いて行われる野外音楽フェス「中津川THE SOLAR BUDOKAN^（1）」を取り上げる。中津川THE SOLAR BUDOKANは今年で開催7年目を迎え，動員は3万人を超える大型の音楽フェスである。

今年の3月で大学を定年退職した。専門は電力工学・電気機器分野で，リニア誘導モータの解析・設計や各種回転モータ（誘導モータ，永久磁石同期モータ，スイッチトリラクタンスモータ，可変界磁同期モータ等）の研究・開発を行ってきた。本稿では，有限要素法（FEM）ソフトを

倫理委員会では「開かれた技術者倫理のありかた」の勉強会として種々の方に講演をして頂いています。本稿では，東京電力ホールディングス株式会社　風力事業推進室の福本幸成氏に，「銚子沖洋上風力発電　実証研究の成果」と題し，2019年3月26日にご講演頂いた内容を紹介

カオスは，方程式が書ける系であっても，その非線形性により，初期値鋭敏性が発生し，将来が予測できなくなる現象である。連続形では，3変数以上必要であるが，離散

どしゃぶりの雨があがった2019年6月22日土曜日。大阪市立科学館にやって来た子供たちの前に現れたのは，頭上の小さなスペースにペットボトルを放り投げ，かっこよ

1．制定の趣旨及び経緯

世界初の可変速揚水発電システムが日本において登場してから30年近くが経過し，2018年度末までに稼働した二次励磁方式の可変速発電電動機は国内16台，海外9台の合計25台を数える。昨今，再生可能エネルギー電源の増加に対応し，揚水運転時でも入力調整が可能な可変速揚水

1．はじめに

持続可能な社会の実現には我々人類の生存する地球環境の保全が前提となる。このため，我々の社会活動から生じる温室効果ガスによる地球温暖化防止のため，再生可能エネルギー源の導入が進んでいる。しかし，再生可能エネルギー源のうち太陽光，風力などの自然変動型電源は天候変

論文誌目次／補足記事

学会だより／技術報告要旨

会告

編集後記