1.はじめに
レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)は,パルスレーザでターゲット物質を集光照射したときに生成するプラズマ中の原子やイオンからの発光スペクトルを測定し,ターゲットを構成している元素の定性,定量分析を行う分析手法である。この手法が初めて報告されたのはレーザが
1.はじめに
鉄鋼プロセスでは,鉄鉱石,コークス,石灰石などを原料として鋼板などを製造する過程で各プロセス中の元素組成を分析することが求められる。特に,溶鋼の段階で鋼材の元素組織を調査するため,溶鋼の組成を迅速に分析・制御することが重要となる。プロセス中で分析を行うために
1.はじめに
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉措置においては,世界でも例のない事故炉からの核燃料物質や構造体の溶融混合物(溶融燃料デブリ)等の安全かつ円滑な取り出しが求められている。光をプローブにし,応答光を解析するレーザ遠隔・迅速・非接触・直接・
1.はじめに
LIBSは,対象物の表面化学組成を定量分析できる優れた方法であり,レーザ発振源が分析対象物と離れた状態でもその定量性を比較的高く維持することができるため,各種固体廃棄物の高度選別(センサ選別,Sensor Based Sorting)に適用性の高い方法である。化学組成を定量し
1.はじめに
近年日本近海で多く発見されている海底熱水鉱床は有用金属を豊富に含み,自国資源の乏しい日本にとって資源化への期待が高まっている。鉱床評価のためにはサンプリングやボーリングした岩石の鉱物組成分析が必要である。陸上の鉱床評価においてはサンプリングの前段階としてレー
1.はじめに
絶対零度に近い低温でしか起こらないと考えられてきた超電導現象が,近年では室温でも実現可能であると考えられるようになってきた。100万気圧以上の超高圧力という極限的な条件が必要ではあるが,「室温超電導」が夢ではなく,近い将来に冷却を必要としない超電導材料が誕生す
1.電食の定義
電食は英語でstray-current corrosion(迷走電流腐食)と称される。ISO 8044:2015にstray-current corrosionは,「意図された回路以外の通路を通って流れる電流によって引き起こされるimpressed current corrosion」と定義されている。impressed current corrosionは,現在広く
1.はじめに
鉄道は我々の社会生活に欠かすことはできず,利便性にも安全性にも優れている。さらに,公共交通機関の中でもエネルギー効率が高く,鉄道の利用を推進することで,現在深刻化している地球温暖化の一因である二酸化炭素の排出量を削減することができる。そして,磁性材料や半導体