筆者は,2011年10月から,2017年9月末まで日本学術会議の会長を務めた。会長任期は1期3年であるが,再選によって会員期間をフルに会長として活動し,去る10月に新会長に引き継いだ。日本学術会議は名前のとおり会議の集積体である。約2,100名の会員・連携会員が
1.はじめに
SRモータ(Switched reluctance motor)はパワーエレクトロニクス技術によって駆動される同期機の一種であるが,種々のモータの中でSRモータほど簡単で堅牢な構造のものはないと言える。本稿ではSRモータの概要と欧米での応用動向の数例を紹介するのだが,特にSR発電機と
1.まえがき
トヨタ自動車(株)のハイブリッド自動車プリウスは燃費が大変良好であり,国内では多数販売されている。良好な燃費を実現する要因はいろいろあるが,中でも,プリウスに搭載されている永久磁石モータが高性能である。すなわち,プリウス搭載の永久磁石モータは効率が高く,大きさ
1.はじめに
本特集の1と2で述べられているように,誘導電動機や永久磁石形同期モータなど従来交流モータに比べ,SRモータは多くの長所を有する。反面,短所もあり,特にその実用普及を妨げている主課題の一つに,大きな振動・騒音がある。トルク急変時など過渡時を除く定常運転状態(一定
1.はじめに
近年,モータの薄型化の要求から,アキシャルギャップ型モータが注目されている。一般的なラジアルギャップ型モータでは,薄型化するとステータからロータに磁束が通過するギャップ面積が小さくなり,また,トルクの発生に寄与しない軸方向への漏れ磁束の割合も大きくなるためト
1.はじめに
近年,スイッチトリラクタンス(Switched Reluctance:SR)モータはパワーエレクトロニクスや制御技術の発達とともに実用化され,高性能化が進んでいる。SRモータは,励磁されたステータ鉄心とロータ鉄心間に発生するリラクタンストルクを利用したレアアースレスモータであ
1.はじめに
世の中の電気機器は,組み込まれた回路に電気を供給することで,エネルギーの変換や機器の制御を行っている。この回路が安定的に機能するためには,通電部である導体と周辺接地構造物が電気的に絶縁される必要がある。
電気的な絶縁手法としては,気体絶縁,液体絶縁,固体
1.はじめに
宇宙太陽光発電(Solar Power Satellite:SPS)が世界で注目を集めたのはアメリカNASA(National Aeronautics and Space Administration)/DOE(Department Of Energy)が1980年に発表したSPS reference system(1)が初めてではないだろうか。もともと1968年にP. E. Glaser
1.はじめに
「眠る」という言葉を聞いて,どのようなことを連想するだろうか?そう,日本ではこの言葉を聞くと,「なまけている」,「さぼっている」,「休んでいる」などネガティブなことばかりが思い浮かんでくるのではないだろうか。
私たちは一日24時間という決まった時間の中で生活を