1．はじめに

「自動車工場」と聞くと，皆さんはどのような光景を想像するだろうか。ニュース番組で流れる自動車製造のラインでは，溶接ロボットが火花を散らしながら車体を溶接する姿や，作業者

〈0歳児の平均余命〉を意味する「平均寿命」。これを目安にすると日本はかなり前から長生きする人が多く，「世界トップの長寿国」を誇っていた。しかし2023年版の世界人口白書によると日本の順位はやや下がり気味で

1．はじめに

11月に入って，ようやくこの原稿を書き始めた。この頃になると年賀状のことが気になる方も多いだろう。ご家庭での年賀状印刷によく使われるインクジェットプリンタのヘッドは，MEMS（Micro Electro Mechanical Systems）技術で作られており，そのうち少なくないものが圧電

1．はじめに

圧力（力）を加えると電荷が生じる物質を圧電体と呼ぶ。また，圧電体に電界を印加すると歪みが生じる。前者は正圧電効果，後者は逆圧電効果といい，両者をまとめて圧電効果という。圧電体はさまざまなデバイスに利用されている。正圧電効果をデバイスに利用する場合，圧電体は

1．はじめに

シリコンMEMS共振器は，主にドーピング技術による温度補償の進歩により，周波数制御市場において従来の水晶に対する強力な競争相手として台頭してきた。温度補償のためのドーピング技術導入前には，水晶との性能差は大きく，周波数安定性は大きく及ばなかった。しかし，2010

1．はじめに

信号フィルタとしての弾性波の研究は1960年代から活発になった。1980年代には弾性表面波（Surface Acoustic Wave：SAW）を用いたIF（Intermediate Frequency）フィルタが実用化され，携帯電話の普及とともに市場は拡大した。1990年代後半から2000年代前半にかけては受信

1．はじめに

5G，AI，IoT，AR/VRなどの社会基盤を構築するテクノロジーの進化により，あらゆる産業がエレクトロニクス化するスマート社会が一層加速し，新たな産業やビジネスが創出され，我々の生活が大きな利便性を得るだけでなく，生活そのものさらに社会全体の在り方まで影響を与え

1．はじめに

急速な技術革新と情報化によって生活の自由度は飛躍的に増大したが，それによってヒトは本当に幸せになっただろうか。技術革新が目的化してヒトが置き去りにされることがないよう，ヒューマンセントリックな考え方が広がっている。情報デバイスの性能よりも，ヒトの感じ方や経験

1．はじめに

東日本大震災，福島原発事故によって，原子力発電に依存したCO₂削減とエネルギー確保の両立が困難になった我が国において新たな電力源の確保は喫緊の課題であり，運転時にCO₂を排出しない再生可能エネルギーへの期待が高まっている。なかでも水力発電は，太陽光発電，風力

1．はじめに

現在，電気学会には2,000人以上の学生会員が所属しており^（1），その多くが大学院生として生活を送っているか，もしくは大学院進学を予定している大学学部生であると推察される。大学院の課程のうち，博士前期課程（修士課程）は専攻領域における専門性を高め，研究・開発に関わ

はじめに

本稿では北海道4高専の一つで，筆者が所属する釧路工業高等専門学校（以降，釧路高専）における半導体人材育成の試みについて報告する。

東京支部埼玉支所は，埼玉県内にある企業，大学，研究施設に所属する会員を中心として，企業見学会や講演会，研究発表会の企画開催を通して「電気・電子」に関する啓発的

電気学会のIEC TC 122（UHV交流送電システム）の国際幹事としてご活躍されている一般財団法人電力中央研究所の財満英一氏が，今年のトーマス・エジソン賞を受賞されました。

財満英一氏は，日本が提案して設立されたIECの専門

10月17日，経済産業省による「令和5年度産業標準化事業表彰」の表彰式が開催され，電気学会TC120（電気エネルギー貯蔵システム）の国際幹事としてご活躍されている東芝エネルギーシステムズ（株）の林秀樹氏が「内閣総理大臣賞」を受賞されました。

電気専門用語集No.10ヒューズを改正・発行した。この電気専門用語集No.10ヒューズは，1972年に初版が発行されてから約10年毎に改訂され2004年に3版改訂が発行され19年が経過し現在に至っている。（以下，旧用語集は2004年の改正版を称する。）初版から旧用語集の発行まで

論文誌目次

学会だより

会告

編集後記