大学の役割が社会から頻繁に問われ,大学ランキングをはじめとして,各種の評価,ガバナンスコード,法人や設置者からのさまざまな要請などなど,この30年ほどの間に大学をとりまく状況は大きく変化し,かつてのような自由度が減ってきたかのように思われる。古い大学にあった
1.はじめに
ものづくり人材の継続的な確保は,資源の少ない我が国にとって必要不可欠である。経済産業省「2023年版ものづくり白書」(1)では「我が国の競争力を支えているものづくりの次代を
1.はじめに
オゾンは酸素原子三つからなる酸素の同素体である。一般には地球の成層圏にオゾン層を形成し,有害な紫外線を吸収するものとして知られている。これは成層圏の中の酸素が紫外線によってオゾンへ変化し,そのオゾンがさらに紫外線を吸収するためといわれる。地上の大気中において
1.はじめに
オゾン(O3)とは,酸素原子(O)が三つ結合したものである。成層圏(地上10~20 km上空)にはオゾン層と呼ばれるオゾン濃度の高い領域があり,太陽光に含まれる有害な紫外線(UVB,波長280~320 nm)を吸収し,地上に降り注ぐのを防いでいる。身近な存在であるO3は,
1.はじめに
オゾンは酸素の同素体であり,その酸化力はフッ素に次いで強いが,反応後に残留しないという特性があり,殺菌・酸化剤として使用されている(1)。特に,上水の高度処理・下水や工業用水の再利用処理などの水処理プロセス,パルプ漂白処理や半導体製造などの化学反応プロセス,室内空
1.はじめに
本稿では,オゾンを用いた水処理及び廃水処理(以下,(廃)水処理技術)として,オゾンの浄水処理及び下水処理への適用に関して述べる。浄水処理及び下水処理は,規模を見ると総容量が大きい分野であり(1),1件あたりの容量も大きい(2)と考えられる。工場廃水処理への適用は,1
1.気相における消毒処理の必要性
新型コロナウイルス(Covid-19)による流行感染症を機に,気相中の病原微生物に関する注意が高まった。これまでは特に病院やホテルといった不特定多数が利用する公共空間が主な対象であったが,自宅やオフィスといった日常的に利用する空間においても衛生的な環境を保持したい
1.はじめに
オゾンと言えば産業に密接にかかわっているものも多く,洗浄,脱臭,物質の酸化処理や,最近のCOVID-19でも広く一般に認知されたように,空間やモノの除菌にも使用されているのはご存じであろう。オゾン自体は大気圧放電を利用して原料である酸素ガスから製造でき,現在,
1.はじめに
日本における死因の第1位はがんで,現在もがんの罹患率・死亡率が著増している。がん対策の最も有効な手段は,早期発見・早期治療で,がんが進行し患者の生命を脅かす前に発見・治療することで,5年生存率は飛躍的に改善される。筆者らは,がん診断法である細胞診断の自動化
1.はじめに
移動の自由は,生活の質を高める重要な要素であり,これに関連する技術は現在とこれからの社会に密接に関わっている。これからの日本が直面する超高齢化社会,高齢者の運転免許返納とその代替移動手段,身体の不自由な方の社会参加など,移動困難者への配慮が求められる現代にお
1.はじめに
日常生活の中で,私たちは電気を動力源とする製品を数多く使用している。この電気は,発電所から一般家庭やプラント,商業用ビルなどに送電されている。その使用量を計測するために不可欠なのが,電力量計である。1910年に電気測定法が公布され(1),1915年には国産の電力量計