夢を抱くのも大変な時代だと耳にします。そこで申し上げたいのは「忘れることの大切さ」です。忘れようとしても忘れられないこと,こそがその人にとって真に意味がある。その人にとって必要であり本質的なものではないかと考えます。
1.はじめに
このたび,会員の皆様のご推挙により,電気学会の第110代会長を拝命いたしました。これから1年間,会員の皆様とともに電気学会の発展のために尽くして行く所存です。会員の皆様のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
1.はじめに
日本をはじめ多くの先進諸国では少子高齢社会を迎えつつあり,医療分野でのイノベーション創出が喫緊の課題となっている。バイオデバイス技術は,生体(ヒト)や生体サンプルを対象とした機器もしくはその構成要素を支える技術全般を含み,バイオテクノロジーや医療への応用を目
1.マイクロRNAとは
ヒトのゲノムDNAは30億個の塩基対からなっているにもかかわらず,mRNAに転写,タンパク質に翻訳されるのはその2~3%のみであり,タンパク質をコードしていないにもかかわらず転写されるnon-coding RNA(ncRNA:非コードRNA)が存在することが知られてい
1.はじめに
近年,医療応用の観点から,生体内で機能する人工あるいは生体由来のナノ粒子(直径100 nm以下)の重要性が増している。人工ナノ粒子としては,薬物送達システムで利用されるリポソームや高分子ミセル等が挙げられる。生体由来ナノ粒子としては,エクソソームを含む細胞外小胞
1.はじめに
近年,細胞から分泌されるエクソソーム(1)と呼ばれる物質に注目が集まっている。エクソソームは,直径50~150 nm程度の脂質二重膜構造をもつ粒子で,分泌した細胞の脂質やタンパク質を表面に,核酸やタンパク質を内部に含んでいる(2)(3)(図1)。分泌されたエクソソームは体液
1.はじめに
血中循環腫瘍細胞(Circulating tumor cell:CTC)は,がん組織から血管内に侵入し,血流に乗り全身を循環する腫瘍細胞である。がんの転移に関与することが知られており,採血のみで低侵襲的に採取できる腫瘍細胞であることから,リキッドバイオプシーのターゲットとして注目され
1.はじめに
近年,医療技術の発展とともに,従来の治療法に対する新たなアプローチが次々と開発されている。その中でも,特に注目を集めているのが「集束超音波治療」である。この技術は,標的となる組織に対して超音波エネルギーを集束させながら照射することで,低侵襲かつ効率的に治療を
核融合とEV(電気自動車)と聞いて,いったいどう関係があるのか? と疑問に思われた読者も多いのではないだろうか。古い映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するタイムトラベラー車,デロリアン(家庭ゴミを燃料として発電する小型核融合炉を搭載)を思い浮かべら
1.はじめに
静電気は,誰もが一度は体験したことがあろう非常に身近な自然現象である。人間にとって静電気は,一瞬痛みを感じたり,モノが少し引き寄せられたりする程度で,大きな問題を発生させるようには一見して感じない。しかし,実は瞬間的に非常に高い電圧が発生しており,電子機器に