私の専門は化学工学の中でも粉体・微粒子工学であり,電気学会とは離れた分野でありますが,貴誌の随想への執筆依頼をいただき誠にありがとうございます。生まれは長崎県ですが,父親の転職で中学時代に埼玉に移動し,ラジオ製作や真空管アンプなどの工作に夢中になっていたラジ
1.はじめに
このたび,会員の皆様のご推挙により,伝統ある電気学会の第104代会長を務めることになりました。これから1年間,会員の皆様とともに学会の発展のために尽くしていく所存ですので,どうぞよろしくお願い申し上げます。
地球温暖化対策を目的に,東日本大震災前から再生可能
1.はじめに
時間・周波数標準は,近年,光周波数領域にまで及び,今もなお著しい進歩,ならびに普及を見ている。特に,日本で発明された光格子時計(1)は,その最前線を走っている。原子に対して制御された摂動を印加することにより,実効的に無摂動状態を実現するという意外な発想に基づ
1.はじめに
時間は,あらゆる計測量の中で,最も正確に計測できるもので,現在は18桁の精度を達成している(1)。また,時間の概念は我々の生活と密着しており,秒単位で新幹線のスケジュールが管理されているだけではなく,株式市場では取引の高速化によって1万分の1秒を超える時間の精度
1.はじめに
長さの単位「メートル」と時間(周波数)の単位「秒(ヘルツ)」は,現在の国際単位系SIの中では極めて関係性の強い基本単位同士となっている。1983年に開催された国際度量衡総会において,長さの単位「メートル」は,光の速さを介して,時間(周波数)の単位「秒(ヘルツ)」
1.時刻と時間・周波数
筆者が所属する情報通信研究機構(NICT)電磁波研究所 時空標準研究室は本部(東京都小金井市)にある複数台の原子時計を利用して日本標準時を生成・維持し,電波時計・電話回線・NTPサービス等で国民の皆様に正確な時刻を供給している(1)。日本標準時と聞くと,兵庫県明石市で生成されていると誤解している方が多いが,兵庫県明石
1.はじめに
原子が吸収・放出する電磁波の周波数を基準にした原子時計の開発が時間・周波数の精度を大幅に向上させたこと,それが我々の生活に密接な役割を果たしていることはすでに本特集1~4で記述されたとおりである(1)~(6)。本稿では時間・周波数の精密計測が物理学の今後の発展に果た
1.蓄電池利用の広がり
電力分野における蓄電池の活用は,古くは停電時の制御電源用途(非常用バックアップ)から始まり,2000年以降には大型蓄電池の実用化によって揚水発電所代替としての負荷平準化用途として使われるようになった。さらに再生可能エネルギーの普及拡大に伴い,電源および電力系統
2011年に発生した東日本大震災,またその後の原発事故により,数多くの方が被災し,これまでの生活を一変する事態となった。私自身は生活圏が関西であり,自分自身の環境としては特に被災等はなかったものの,研究環境は当時から一変したものとなった。
1.はじめに
我々の生活はあまたの機械・機器によって支えられている。とりわけ,自動車・航空宇宙・医療・産業機械等においては,より精密かつ複雑な加工と部品が求められ,現在の自動化した工作機械はそれら精密部品の生産に大きく貢献している(図1)。産業の基盤を支える工作機械の活躍
JEC-2200-2014(変圧器)の英文版を改正・発行した。
JEC-2200-1995(変圧器)の英文版は制定されてからはすでに20年以上が経過し,この期間中にIEC規格では,IEC 60076(Power Transformers)シリーズ主要規格であるIEC 60076-1(一般),IEC 60076-2(温度上昇限