1.はじめに
メタマテリアルやプラズモニクス構造は,入射波長よりも小さなサブ波長構造で構成され,微細加工技術を駆使して実現される新しい人工光学材料である。メタマテリアル・プラズモニクス構造のもつユニークな電磁波モードと入射波との相互作用により,これまでの光操作技術の限界
1.はじめに
本稿は幾つかの具体例を通して,メタマテリアル(メタ物質,metamaterials)の考え方や原理を簡潔に紹介することを目指す。以下では特に断らない限り,マイクロ波や可視光などの電磁波を操る光メタマテリアルを想定して話を進める。しかしながら,メタマテリアルは近年,電磁波
1.はじめに
メタマテリアルは,波長より微細な構造を有しつつ,波長よりも大きな全体構造をなすことによって,自然界の材料では実現できない特性を実現できる。2000年前後よりペンドリーらが開拓(1)し,負の屈折率(2)や透明マント技術(3)の実験が報告されて大きな注目を集めた。日本では,
1.はじめに
化学物質成分分析および生命科学分野において低濃度の物質を高感度に検出・同定する技術が広く期待されている。例えば,水質検査における環境ホルモン等有害物質の検出や農作物の残留農薬検出,空港等でのセキュリティのための危険物質検出等が挙げられる。生命科学分野では,
1.はじめに
nanoLambdaは画期的な超小型分光センサapollo(1)を開発した。apolloは約5×5×5 mmという超小型であること,消費電力が小さいこと,ディジタル出力であるために周辺回路が最小限であることなどを特長としている(図1)。また,量産性に優れた半導体プロセスとナノインプ
1.はじめに
金属はその屈折率に虚数成分を含み,光は金属との接触によって大きな損失を受ける。そのため,光学デバイスなどでは金属電極部は光伝送領域から十分な距離をおいて配置される。一方で,光学設計された金属ナノ構造は,投入した光エネルギーを逆に強く集束して高性能なレンズのよ
1.重粒子線がん治療の概要
放射線の医療応用の歴史は古く,1895年にレントゲンがX線を発見した翌年には早くもがん治療が試みられた記録がある。その後,今に至る放射線治療の歴史は,いかにして腫瘍に必要十分な効果を与えつつ,周囲の正常組織へのダメージを低減させるかの歴史ともいえる。
1.はじめに
パーソナルコンピュータが情報処理機器の中核を占めていた長い太平の時代(ウィンテル時代)が終わりを告げ,かたやスマートフォン/ウェアラブル/IoT,かたやビッグデータ/人工知能と,情報処理技術の根幹を揺るがす変革の時代が到来している。情報処理を根底で支える計算デ
地震国日本においても高層ビルが立ち並んでいる。これには耐震,制震,免震技術の発展が大きく寄与している。耐震とは建物の骨組みなどを強化し,地震の揺れに対し建物の崩壊を防ぐもの,制震とは建物の揺れを制震装置が吸収し,地震のエネルギーを低減する仕組みである。また,
1.はじめに
2016年秋,産業技術総合研究所フレキシブルエレクトロニクス研究センターが運営する次世代プリンテッドエレクトロニクスコンソーシアム(JAPEC)において,「プリエレアイデアコンテスト」と題したコンテストの開催が告知された。このコンテストでは,プリンテッドエレクトロ
電気学会電力・エネルギー部門(以下,B部門)とパワーアカデミーの共催による平成28年度電気学会高校生懸賞論文コンテストの表彰式が,平成29年3月18日に東京電力ホールディングス(株)技術開発センター(神奈川・横浜)の会議室において開催された。今回で10回目