2016年5月から2年間,電力・エネルギー部門長の任に当たりました。私の研究者としての活動は,この電気学会を拠点として発展できましたことに,この場をお借りし感謝申し上げます。
さて,昨今DX関連分野を中心にあらゆる産業において
1.はじめに
2020年10月,我が国政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする,2050年カーボンニュートラル,脱炭素社会の実現を目指すことを宣言した(1)。カーボンニュートラルとは温室効果ガスの排出量と吸収量のバランスをとることである。この「2050年カーボン
1.はじめに
永久磁石は,モータの小型・高効率化にとって重要な材料である。特に世界最高性能を有するネオジム磁石が組み込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)モータの商用化によって,永久磁石の重要性が高まった。さらに,自動車を始めとするモビリティの電動化が急激に進行する中
1.はじめに
電磁鋼板はモータ・発電機や変圧器などの電気機器の鉄心材料として使用されており,機器の体積・重量や効率は電磁鋼板の性能に大きく依存し,脱炭素化社会の実現に向け電気機器の省エネルギー化が進展する中で,電磁鋼板においても低損失(低鉄損)化が継続的に進められてきた。
1.はじめに
パワーエレクトロニクス(以下,パワエレ)は産業用,鉄道や自動車などの輸送機器,太陽光・風力発電システム,家庭電化製品,さらにはPCやスマホの電源システムなど,身の回りのあらゆるところで利用されている。これら装置の高効率化・小型軽量化は電気エネルギーの有効活
1.はじめに
2015年にSDGs,パリ協定が採択されて以降,世界的に気候変動,地球温暖化防止への取り組みが強く求められており,我が国では2050年までにカーボンニュートラルの実現を目標とした電動化の動きが加速している。電動化におけるキーデバイスであるモータ,発電機,変圧器などの
1.はじめに
電荷の流れである「電流」とスピン角運動量の流れである「スピン流」,この両者の特性を利用して新機能を引き出す工学分野がスピントロニクスである。スピントロニクスの黎明期は1980年代まで遡る。その頃,異種金属をナノメートルスケールで積層した「金属人工格子」の研究
1.はじめに
ひずみは,物体に力が作用した時の,元の長さに対する変形量の割合として定義され,物体の即時破断や疲労現象などを支配する重要な物理量である。よって,材料力学の発展に伴い,強度設計におけるクライテリアとして重要視されてきたが,変形量が非常に微小であるために,当時は
1.はじめに
モーションキャプチャの技術は,バーチャルリアリティ,コンピュータアニメーション,ヒューマンコンピュータインタラクション等の分野で広く利用されている。モーショントラッキングと呼ばれることもある。最近のバーチャルリアリティのシステムでは主に,光学式,磁
みなさんは「パルスオキシメータ」という医療機器をご存じだろうか。救急車による病院への搬送,内視鏡検査,入院などの経験がある方は,指先にクリップ状またはテープ状のセンサを付けて何か測定してもらったはずだ。これが「パルスオキシメータ」である(図1)。指先にセンサ
1.はじめに
映像メディアの視聴は我々の生活と切っても切り離せない関係にあり,生活する上でのあらゆる情報を映像コンテンツから取得している。テレビ放送の開始から70年以上が経過したいま,インターネット通信を活用した映像配信が普及するなど,映像メディアの配信体制・ユーザの視聴
7月25日の午後,電気学会会議室にて,令和5年度電気規格調査会規格委員総会を開催いたしました。総会では,令和4年度の電気規格調査会事業報告や令和5年度の事業計画の報告を実施いたしました。
続いて,18回目となる電気規格調査会功績賞・功労賞