2020年は,世界中が新型コロナウイルス禍の大きな影響を受けた歴史的な年となった。感染力が強く,未発症者からも感染するため,3密の回避が強く求められた。対話による指導を中心とした大学での教育・研究も大きな制限を受け,4月の緊急事態宣言により,キャンパス入構禁止
1.はじめに
近年,地震はもとより台風,集中豪雨など自然災害が社会インフラに対し大きな影響を及ぼしている。2018年の台風21号,2018年の北海道胆振東部地震,2019年の台風15号(房総半島台風)および19号(東日本台風),さらには2020年7月の熊本豪雨など毎年のように災害が発生
1.はじめに
現代社会は,電気への依存度が高まり,電力の安定供給に対する要請がより高度なものとなっている。近年,自然災害の激甚化が顕著で,電力ネットワークに与える影響の深刻さが増し,安定供給のための電力ネットワークのレジリエンス強化が再認識されている。
1.はじめに
2019(令和元)年9月9日に千葉市付近に上陸した台風15号(英名:Faxai)は,最大瞬間風速57.5 mを観測するなど記録的な暴風となり,電力設備などに大きな影響を及ぼした。本稿では,経済産業省,および東京電力において行われた検証報告書を引用しつつ,本台風による電力設
1.はじめに
水道,交通,通信などの社会インフラを支える事業は,電力の供給を前提として成立しており,電気エネルギーセキュリティはその事業のレジリエンスに大きく影響する。それらの事業の中でも,我が国の鉄道事業は,電気鉄道方式が主流であり,電気エネルギーセキュリティの確保は極
1.ネットワークのレジリエンシー向上に向けて
光ファイバ通信ネットワークでの,いわゆる『想定外』の災害や障害などに対して二つの方向性で研究に取り組んでおり,冗長化されたネットワークを素早く切り替えるための技術,および迅速な応急復旧技術を紹介する。
本稿では,障害発生時に従来よりも高速な冗長系への波
1.危機管理の原則
危機管理には大きく分けて,目指すべき二つの方向性がある。一つは頑強性,今一つは代替可能性である。
例えば,震災時に災害対策本部を置く建物が弱かったとしよう。方向は二つある。一つは頑強性を高めるためにその建物の耐震化を実施する(または耐震化された新しい建
1.はじめに
ブロックチェーン(以下,BC)技術は,暗号資産(仮想通貨)の取引処理への適用から始まり,その改ざん耐性や高汎用性から金融分野に加え非金融分野にも適用が広がっている。電力分野においても,2019年秋から住宅用太陽光発電の小売電気事業者による固定価格買取制度
1.はじめに
人工知能分野における説明可能性が重要視される現在において,進化的ルール学習の位置づけは大きく変化している。進化的ルール学習は,定義された数学・論理記号あるいはアルゴリズムの組み合わせをルールとし,これを進化計算で最適化することで,高精度かつ汎用性・可読性に優
1.はじめに
人手不足や高齢化等のさまざまな問題を抱えた日本の農業への解決策として,最新技術を活用したスマート農業の導入が期待されている。2019年1月より農林水産省が「スマート農業実証プロジェクト」(1)の公募を実施し,令和元年度に69地区,2020年度に55地区が採択される等,ス
JEC-0301-1999(静止誘導器インパルス耐電圧試験)は,1999年(平成11年)1月に改正され,既に20年が経過しました。この間,この上位規格でかつ基本規格であるJEC-0102-2010(試験電圧標準)は2010年7月に改正され,同じく上位規格であるJEC-0221-2007(インパルス