未だ終息の気配がないコロナ禍の中で,地方分散型社会に対する期待が益々高まっていると感じる。大学ではオンライン授業が普通に行われ,国内外を問わず,学会もウェブ会議方式が主流となった。企業においても,在宅勤務やリモートワークが推奨され,意図せずしてSociety5.0が
1.はじめに
少子高齢化や人口減少による人手不足から,コロナ禍などの感染症対策,DX(Digital Transformation)化の波など,社会課題が多様化している昨今,真の持続可能な社会を形成するた
1.はじめに
建築物の照明は,持続可能な社会に対してどのような役割を果たすのか?と考えてみた場合,高効率なLED照明の採用が進むことで省エネルギーに大きく寄与している,という回答がすぐに浮かぶであろう。
しかし,生活環境に存在する照明の数は非常に多く,し
1.はじめに
グレアとは,視野内の非常に輝度の高い光源などによって,不快に感じたり,物が見えにくくなったりする感覚のことである。専門的には前者を不快グレアと呼び,後者を減能グレアと呼ぶが,不快グレアは一般的にまぶしさと呼ばれることが多い。
1.はじめに
屋外環境と屋内環境の境界をなす建物の構成要素,すなわち屋根,地上と地下の外壁,外壁に設けた窓や扉,床(基礎)などを総じて,建物外皮という(図1)。建物外皮は,天然の調節されていない屋外環境から調節された屋内環境を切り取るものであり,建物の居住環境性能とエネル
1.はじめに
日本でも電気による光源が夜の街を明るく照らすようになってから約140年が経たつ(1)。その間,街路照明に用いられる光源は,白熱電球,水銀ランプ,高圧ナトリウムランプ,さらにはLEDへと変化を遂げてきた。技術の進歩に伴い,光源の発光効率は劇的な向上を遂げてきたが,同時
1.はじめに
我が国では,毎年どこかの地域で地震・台風・集中豪雨・大雪などの自然災害に見舞われており,その被害は甚大である。平成においては,関東大震災と並ぶ二つの大災害(阪神・淡路大震災および東日本大震災)が発生した。また地球温暖化に伴う環境変動によって,各国でも自然災
1.はじめに
21世紀が始まり,エレクトロニクス産業がシリコン物性の限界やレアメタル等の課題に直面している頃に発表された2004年のNovoselovとGeimらによるグラフェンの安定形成(1)は世界の注目を浴びた。それには,次のような歴史的背景がある。グラフェンは,1940年代後半にその
1.はじめに
近年,血圧計などの「体を測る」機器が家庭に普及している。従来は病院でしか測れなかった血圧などのからだの指標が家庭でも簡単に測れるようになったことにより,例えば高血圧の診断に家庭で測った血圧を使用するなど,医療の進化にもこれらの機器が貢献している。ここでは血圧
1.はじめに
人間は問題を解決しようとすると一点に注意を向けようとする生き物です。そのため,声の問題となると,声に関係しそうな喉から上の部分にしか目がいきません。ところが実は,問題は全身に及んでおり,そして声を健康に保つ問題の解決法は,健康で元気な生活や長生きを実現する問
1.はじめに
近年,人口減少や少子高齢化に伴う労働力不足に対し,生産性の向上,働き方改革への関心が高まっている。そのため,さまざまな企業でフレックスタイム制やフリーアドレス,リモートワーク等が導入され始めている。また,昨年,菅内閣総理大臣が所信表明演説において,2050年ま