医学部入試における性差別,年齢差別と言えるような不適切な取り扱いに端を発して,公平かつ公正な方法による入学者選抜の議論がなされている。これまでにも,入試の学力試験は知識の量を競うものとなっているといった批判を受けて,AO,推薦をはじめ様々な形での選抜が行われ
1.はじめに
製造業において,ロボットやIoT技術を用いたSmart Factory化は第四次産業革命ともいわれ,特に中小企業におけるスタッフの不足や高齢化を解決する手段として注目されている。
1.はじめに
近年,高度成長期に建設されたトンネルや橋梁などの構造物は高経年化し,検査維持管理技術の確立は大きな社会的問題となっている。図1は鉄道トンネルの建設歴年別施設数を表す(1)。建設数が多い時期は昭和初期と1970年代の高度経済成長期である。これらの構造物は建設され
1.はじめに
鉄筋コンクリート(RC)構造物は耐震性および耐久性が高く,建築物や大型設備の基礎等の幅広い用途で利用されている。一方,RC構造物はさまざまな要因で経年劣化することが知られており,外力やひび割れの発生等の物理的因子,鉄筋を腐食させる塩化物や硫化物等の化学的因
1.はじめに
パイプやタンク,橋梁,鉄道レールといった鉄鋼構造物は,老朽化による劣化診断が急務の課題となっており,航空機胴体や翼,自動車ボディといった工業製品では,接着部や曲がり部の出荷前検査が重要性を増している。これらの大型構造物の多くは薄板状になっており,筆者らはこ
1.緒言
トンネルやビルの壁面は,浮きやはく離の点検が定期的に行われる。この点検には,目視検査および打音検査が一般的であるが,打音検査は膨大な時間および経費が必要となるので,各種の効率的な検査方法が利用されている。広い面積を一度に検査する方法としては,赤外線サーモグラフィ法がある(1)。赤外線サーモグラ
1.はじめに
インフラ構造物の安全性が揺らいでいる。道路先進国であるアメリカは1980年代に多くの道路構造物が老朽化し,「荒廃するアメリカ(America in ruins)」とまで言われるほど劣悪な状態に陥った。日本では2012年に笹子トンネル天井板落下事故が起こり,2018年8月14日にはイ
1.バイオロギング計測器の概要と歴史
海洋生物は,広大な海で何をしているのだろうか。バイオロギングはこのような研究者の疑問から始まった。生物の行動を把握する基本は,目視による直接観察である。しかし,地球表面の70%を占め,平均深度が3,800mである広大な海で,自由に鉛直・水平方向に移動する海洋生物
1.はじめに
地球上には180万種を超える生物が生息している。実にその半数以上を占めるのが昆虫である。古生代石炭紀(約3億年前)の地層から多数の昆虫の化石が発見されているが,その姿形は今日目にする昆虫と大差がない。これは昆虫の構造と機能が環境変化に対して高い適応性を持つこと
1.はじめに
読者の皆様は普段から健康に気を使われているのであろうか。研究に没頭しすぎて自身の健康をおろそかにし,栄養の偏った食生活を続けてしまっている方も少なくないかもしれない。しかし,より良い成果を上げるためには心身ともに健康であることが望ましい。不足しがちな栄養素の
IoT・AI時代のセキュリティ
現代ICT社会は,インターネットを仲介して様々な情報がクラウドサーバなどに蓄積され,それをAIが解析して自動的に処理を行うという時代に入ってきている。例えば自
1.はじめに
地球環境保全を目的に大量導入の進む再生可能エネルギーは気象条件により出力変動する変動型電源である。本テクニカルレポート(以下,TR)は再生可能エネルギーによる電力供給割合の増加に伴い稼働率が低下し,さらに天気予報外れなどによる電力需給調整コスト増が見込まれ