人類が新型コロナウイルス感染症の大規模な拡大(コロナ・パンデミック)に立ち向かうことになって,1年半余が経った。2021年9月の段階で,世界全体の感染者は累計2億人を超え,死者数は500万人に近づいている。画期的なワクチンの開発が急ピッチで行われ,その接種が
1.はじめに
近年ワイヤレス電力伝送(給電)はスマートフォンの充電などによって知名度を上げつつあり,便利な充電方法として知られつつある。この技術はスマートフォンの充電に限らず,電線が使用されている多くの場所をワイヤレス給電に置き換えていくポテンシャルがある。
1.はじめに
2050年までのカーボンニュートラル実現に向け,内燃機関車(ガソリン・ディーゼルエンジン車)から電気自動車(BEV)への転換が進められている(1)(2)。しかしながら,バッテリーのエネルギー密度はガソリンや軽油と比べると低く,高頻度なバッテリー充電が求められるため,
1.はじめに
マサチューセッツ工科大学(MIT)による磁界共鳴結合方式による大電力電力伝送の実機実験(1)がブレークスルーとなり,ワイヤレス電力伝送の研究開発が本格化してから15年になろうとしている。特に,コイルを介して電力伝送を実現する磁界結合方式については,回路理論,ア
1.はじめに
ワイヤレス電力伝送の制御は共振回路トポロジーに依存する。また,アプリケーションによっても制御方式が変わる。そのため,実際には制御方式は多様であるが,本稿では代表的な共振回路トポロジーである送受電コイルに直列に共振コンデンサを挿入するS-S方式を取り上げてワイ
1.はじめに
本稿ではワイヤレス電力伝送の規格・法令に関する動向について紹介する。はじめにワイヤレス電力伝送の標準化において,比較的出力の大きいEV用ワイヤレス電力伝送に着眼した動向について述べ,次に,ワイヤレス電力伝送のEMC規格において,EV用ワイヤレス電力伝送に関連
1.はじめに
ワイヤレス電力伝送(Wireless Power Transfer:WPT)において磁界結合型の普及はすでに始まり,kW級の大電力である85 kHz帯を用いた車両へのWPTも実用化している。
WPT方式には磁界結合型以外にも電磁波放射型(電
1.はじめに
ペロブスカイト太陽電池(PSC)はいわゆるペロブスカイト構造(ABX3)(図1)を有する鉛ハライドを光活性層に用いた太陽電池である。もとは色素増感太陽電池の増感剤として見出され,2006年頃に色素分子の代わりに当時高効率発光材料として研究されていたハロゲン化鉛ペロブ
1.はじめに
近年,モノのインターネット(IoT),エッジコンピューティング,人工知能(AI)などの技術の普及により,世の中のデータ量は爆発的に増えている。全世界で生成・複製されるデータ量は,2015年の18 ZB(1021 bytes)から,2018年には33 ZBへ増加し,2025年には175 ZBに
1.はじめに
昨今の世界的な感染症の流行を受け,私たちの身の回りの除菌に対する関心が高まっている。中でも空間全体を丸ごと除菌できる手段としてオゾンの利用が注目されてきており,実際に街中でオゾン発生器を目にする機会も増えてきた。オゾンは,自然界では太陽の紫外線や雷によって発