今年の春休み中に甲子園球場で催されるはずであった第92回選抜高校野球大会は,新型コロナウィルス感染症(肺炎)の世界的流行のため中止となった。いったんは「選手たちを落胆させたくない」と無観客試合も模索
1.はじめに
熱プラズマとは,圧力1気圧前後で成立する,ガス温度が数千Kから数万Kにも達する高温高気圧プラズマのことである。アークプラズマがその代表例である。放電現象の中で最も古くからその応用に成功してきたのが熱プラズマであるが,その現象理解が大きく進んだのはここ20〜
1.はじめに
アーク溶接は,被溶接材料である金属の母材とそれに対向した電極の間にアークプラズマを発生させて母材を溶融し接合する熱流体プロセスである。自動車・鉄道車両・船舶・航空機などの輸送機器や,土木・建築,プラント設備などの多種多様な製造分野で用いられているものづくりの
1.はじめに
送配電網や電気鉄道システムといった電力インフラに実装されている電力用遮断器の責務は,自然災害などが原因で発生する異常大電流を食い止め(ゼロにする,遮断する),その後の電力供給を速やかに再開することである。そのため電力用遮断器は現代の安全・安心・高品質な電力
1.はじめに
産業界では,アーク溶接・切断,プラズマ溶射などの分野において,熱プラズマ技術が古くから用いられている。それに対して,ナノ粒子などの機能性材料プロセスへの応用や,廃棄物処理プロセスへの展開は,すでに実用化が進んでいるが,今後飛躍的な発展も可能な段階にきている。
1.はじめに
プラズマスプレー法は,従来「溶射」と訳されてきたが,熱プラズマ流に投入する原料の高温短時間の化学的物理的現象を利用してさまざまな構造を有する材料の高速生成プロセスの総称として再定義され(1),多様な分野へと導入展開されている。例えば,Si粉末を原料にプラズマ中
1.“熱プラズマ”再考
熱プラズマを扱った本特集を総括するにあたり,チーフエディタとして再度強調しておくべき事柄がある。それは,『熱プラズマ=局所熱平衡(Local Thermodynamic Equilibrium:LTE)が全時空間で成り立つプラズマ』という固定観念は完全に誤っている,ということである。熱プラ
1.はじめに
超音波は,一般的に人間が聞き取れない約20 kHzから数GHzの周波数を持つ音波とされており,医療分野における病変発見のためのエコー検査や,産業分野における建物や構造物の亀裂,劣化を発見するための非破壊検査など,さまざまな分野で活用されている。これらの人体も含
1.はじめに
日本は少子高齢化が進み,この先ますます介護ビジネスが重要になってくることが確実である。介護人材の不足は喫緊の課題であり,介護をサポートする介護ロボットの開発,導入が強く期待されている。しかしながら,介護ロボットはまだ十分に普及しているとは言えない。
1.はじめに
電気学会では,毎年,社会生活に大きく貢献した電気技術を「でんきの礎」として顕彰し,その価値や電気技術の魅力を広く周知する活動を行っている。2008年から始まり,2020年3月までに全13回,82件の電気技術が「でんきの礎」に顕彰されている。その中で,第12回「でんき