伝統ある電気学会誌に寄稿の機会をいただき,誠にありがとうございます。私は有機化学が専門で,電気工学や電気技術には疎いのですが,幼少期には電気工作が大変好きでした。私の初めての電気工作は,鉱石ラジオでした。当時小学生向けの新聞に掲載された記事を見て,電池もいら
1.はじめに
2022年12月5日にアメリカのローレンスリバモア国立研究所のNational Ignition Facility(NIF)において,人類初の核融合点火燃焼を実現し,2.05 MJのレーザー入力に
1.はじめに
最近では,系統連携機器,データセンター電力システム,自動車の電動化などパワーエレクトロニクス(以下,パワエレ)機器のシステム化,大規模化が進んでおり,これらのパワエレシステムの開発には従来の開発手法では対応できなくなってきている。この問題に対する一つの解決
1.はじめに
近年,パワーエレクトロニクス機器への要求は大きく二つの分野が発展していることで変わってきている。一つは電気自動車などの分野,もう一つはデータセンターなどの分野である。
電気自動車の分野では,まず車載製品であれば,例え
1.まえがき
日本では2012年に再生可能エネルギーの普及拡大を目的に固定価格買取制度(Feed-in Tariff:FIT)が導入されて以来,太陽光発電の導入が進んでいる。太陽光の発電電力は気象条件により変化するため,負荷と系統電圧の状態に応じて余剰電力が生じる。余剰電力を無駄なく活用す
1.はじめに
近年では,複雑化するさまざまな制御アルゴリズムを検証するため,「HILS」と呼ばれるシステムを活用するケースが増えてきている。HILSはHardware-In-the-Loop-Simulation(またはHardware-In-the-Loop-System)の頭文字を取ったもので,コンピュータ上でシミュレー
1.はじめに
現在,幅広く多くの分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでおり,Industry 4.0,Internet of Things(IoT),Society 5.0といったものづくりの効率化や価値向上を図るための開発プロセスのデジタル化が急速に進展している。その中で新たなシミュレーションの活用
1.はじめに
近年,細胞やタンパク質といったバイオマテリアルをモノづくりの材料と見なし,バイオマテリアルと人工物を融合させたバイオハイブリッドシステムが提案されている。特に,細胞は魅力的な材料であり,増殖させることで必要量を準備できるだけでなく,生体の感覚や代謝,運動と
1.はじめに
近年,労働力不足が加速する建設業界においては施工の機械化/自動化による省力化/省人化への期待は大きい。とくに建設業界では生産性を劇的に向上すべく従来の労働集約的な現場施工とは一線を画する施工方法が強く求められており,従来のコンクリート施工で必要だった型枠に制
1.はじめに
電気学会では1991年の組織体制の刷新以来,電気学術に関する全分野が五つの専門領域に分けられ,それぞれが特色のある「部門」として規定されている(1)。現在の部門の体制は以下に示すとおりである。
◆基礎・材料・共通(A部門)
このたび,第17回「でんきの礎」として全4件の顕彰が決定しましたので,その概要をご紹介いたします。
「でんきの礎」(One Step on Electro-Technology)は,歴史的にみて,社会生活に大きな貢献を果たした電気技術の功績を称え,世の中に広く周知することで,多くの方々