2014年に九州大学総長に就任し,3年余り経ちました。大学の使命は,教育・研究・診療・社会貢献などであります。学生・教職員合計2万8千人の組織です。
国立大学は2004年度から法人化され,一期6年間で中期目標・中期計画を作成しています。2016年度からは,
1.はじめに
東京湾の入り口は,神奈川県の三浦半島と千葉県の房総半島に挟まれた浦賀水道である。全長14.8 km,航路幅1.4 kmという狭い航路に一日550隻ものさまざまな船舶が航行し
1.はじめに
発電所で作られた電気は,送電線によって需要地近くの変電所まで送られ,徐々に電圧を下げていきながら最終的に配電設備によって需要家に供給されている。配電設備は,電柱に支持された「架空配電線」と地中埋設された「地中配電線」に大別され,それぞれが配電線(特別高圧
1.はじめに
近年,日本に接近・上陸する台風が大型化・強風化する傾向が顕著になってきている。これは地球温暖化の影響とされ,特に日本の南方海上の海水温の上昇とそれに伴う水蒸気量の増加により,毎年日本中のいずれかの地域で豪雨による水害が発生している状況である。
1.はじめに
台風の強い風雨による被害は,時に複数の地域で多数発生することがある。そのため,台風の襲来前に被害規模や暴風の開始・終了時期を事前に予測することが,人員・資材の合理的な配置を検討する上で効果的である。特に,離島を有する電力会社においては,海が荒れる前に的確な予
1.はじめに
本稿では,電力設備を対象とする被害推定システムについて解説する。まず,システム開発の視点やその概要を述べ,既往地震に対する適用事例を述べる。次に,来るべき南海トラフ地震への地震対策として,主に即時津波被害推定の基本的考え方を解説する。最後に,被害推定の高度化
1.はじめに
(一財)電力中央研究所で開発された電力設備向けのリスク評価マネジメントシステム(Risk Assessment and Management system for Power lifeline:RAMP)は台風や地震などの大規模災害が発生した場合の行動や応急復旧期の情報空白期,情報錯綜期に的確な判断を支援することを目的
1.はじめに
欧州連合(EU)では,発電部門と送電部門の分離(アンバンドリング)と小売供給部門の全面自由化が実施されているが,同様に小売自由化を実施しているアメリカの一部とは異なり,卸電力市場と送電系統運用が異なる組織によって運営されている。系統運用に関する市場制度の類似
1.はじめに
携帯電話回線や公共無線LAN(Wi-Fi)によって無線でインターネット接続する環境が整備されることに伴い,いつでもどこでも情報を得ることができるようになり,我々の生活はますます便利に快適になってきている。このことは緊急に正確な情報を必要とする災害時にも我々に大
1.はじめに
研究機関,大学,企業の技術者が日々行う実験・解析・評価などの場面ではさまざまな測定機器が欠かせない。しかし,性能の良い測定機器は高額であり,さらに用途や使用期間が限定的なケースも多く,購入に踏み切るのはなかなか難しい。このような場合の強い味方としてレンタル機
このたび,第11回「でんきの礎」として全6件の顕彰が決定しましたので,その概要をご紹介いたします。
「でんきの礎」(One Step on Electro-Technology)は,歴史的にみて,社会生活に大きな貢献を果たした電気技術の功績を称え,世の中に広く周知することで,多くの方々
1.はじめに
この規格は,太陽光発電,風力発電などの分散形電源を電力系統に連系する際に用いられる電力変換装置の規格である。JEC-2470-2005は,当時,導入が進み始めた分散形電源の技術動向に応じて提案がなされ,2005年に制定された。その後,分散形電源系統連系技術指針が規程に改