1.地球と現代の人類社会の限界を実感する
昨年となった2021年は,COVID-19とは別の意味で大変象徴的な一年であったと感じています。日本だけでなく世界の至る所で気候変動による大規模な水害等が発生し,沢山の尊い生命や住居が失われ,今もなお,その被害に苦しまれている方々が多くいらっしゃることは皆さんもよく
日本機械学会と電気学会は,工学系学会の中にあって基礎的かつ広範囲な基盤技術を司る学会として永年にわたり活動しており,学問領域および産業応用領域において近い存在である。2004年から両学会による連携活動(会長懇談会)を実施してきた。今回,両学会が課題としている
1.はじめに
近年,情報技術の革新的な進歩により,AI(Artificial Intelligence)やIoT(Internet of Things)を応用した技術はさまざまな業種へ適用されてきており,社会構造は大きな変革を遂げつつある。各種産業分野も,それら技術により最適化が進み,高度化要求に応じた発展を遂げてい
1.はじめに
電気主任技術者制度は我が国における電気保安の安全・安心を確保する制度であるが,電気主任技術者の高年齢化,外部委託受託者への入職者減など将来的に制度を安定的に維持するのが困難な状況となっている。
加えて,昨今のコロナ禍において人流が抑制されたなか
1.はじめに
近年,デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の推進を掲げ,デジタル技術を用いて既存の業務を抜本から変革する動きが活発である。電気保安の分野においても,経済産業省主催で,スマート保安官民協議会が設置され,官民一体となり,その方向性を協議し
1.はじめに
産業・エネルギー関連インフラは,設備の高経年化,人材の高齢化とその長期的な不足,技術・技能伝承力の低下に加え,災害の激甚化やテロリスク,新技術によるデジタル社会の進展など,構造的な課題やさまざまな環境変化への対応が求められている。このような状況の中,官民の
1.はじめに
プラント設備の安定操業には受変電設備をはじめとした電力供給設備の高い信頼性が不可欠である。ここでは大規模プラント設備の集合体である製鉄所における最新のデジタル技術を駆使した受変電設備の高度監視システムについて紹介する。
1.はじめに
電気設備の保全は,近年,IoT, AIやドローンなどの新技術導入が進みつつあり,経済産業省がスマート保安アクションプランを作成するなど,保全高度化を目指しさらなる新技術普及に向けた取り組みがなされている。一方,保全の対象の電気設備が適正に設計・施工されていること
1.はじめに
2022年現在の社会は,Society4.0と言われている。Society1.0を狩猟社会としたとき,農耕社会(Society2.0),工業社会(Society3.0),情報社会(Society4.0)と人類は技術革新によって社会をアップデートしてきた(1)。課題先進国と言われる我が国日本は,サイバー空間とフィジカル
1.はじめに
放電加工法は,工具と加工物との間に微小な放電を繰り返し発生させることによって,所望する形状を創成する加工法である。切り刃となる放電は,加工反力が小さく,方向性を持たない。よって,工具(電極)形状をそのまま転写でき,微細形状も含め付与できる形状の自由度が高いこ
1.はじめに
近年,クロスリアリティ(以下,XR)と呼ばれる技術が盛んに開発されている。XRとは現実と仮想空間を融合する技術の総称のことで,拡張現実(Augmented Reality,以下,AR),仮想現実(Virtual Reality,以下,VR)などはXRの一部である。ARはデバイスを通して見た現
このたび,第15回「でんきの礎」として全3件の顕彰が決定しましたので,その概要をご紹介いたします。
「でんきの礎」(One Step on Electro-Technology)は,歴史的にみて,社会生活に大きな貢献を果たした電気技術の功績を称え,世の中に広く周知することで,多くの方々